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「耐震等級1でも十分」の真実|本当に地震に強い家の条件を建築士が解説

2024年05月22日
「耐震等級1でも十分」の真実|本当に地震に強い家の条件を建築士が解説


家の耐震性を評価する指標が「耐震等級」です。

等級1から2、3と耐震性能が上がっていきますが、インターネットで調べると「耐震等級1でも十分」という意見と、「耐震等級2・3でないと危険」という意見が並んでいます。

そのため、結局どうすればいいか迷ってしまいますよね。

そこで、今回は建築士が「耐震等級」の基礎知識から地震に強い家の条件についてまで、詳しく解説します。

「地震に強い家」を建てたいという方は、ぜひ参考にしてください。

このコラムのポイント
■ 「耐震等級」とは、住宅の耐震性能を一般の方でも客観的に分かりやすく判断するための指標です。

■ 地震に強い家にするためには、耐震性能を上げるだけではなく、地盤強度や免震・耐震技術を取り入れた工夫が必要です。

■ アイホームズは、昭和43年創業以来、これまで東京23区を中心に「地震に強い家」を数多く手掛けてきています。

 

「耐震等級」とは|等級1は震度6に耐えられる?

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耐震等級は、2000年に施工された「住宅の品質確保の促進などに関する法律(通称:品確法)」で定められた「住宅性能表示制度」の中の基準です。

住宅性能表示制度は、良質な住宅を安心して取得できる市場を形成するためにつくられた制度となっており、具体的には以下のような内容となっています。

・住宅の性能(構造耐力、省エネルギー性、遮音性等)に関する表示の適正化を図るための共通ルール(表示の方法、評価の方法の基準)を設け、消費者による住宅の性能の相互比較を可能にする。

・住宅の性能に関する評価を客観的に行う第三者機関を整備し、評価結果の信頼性を確保する。

・住宅性能評価書に表示された住宅の性能は、契約内容とされることを原則とすることにより、表示された性能を実現する

(引用:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会


耐震等級によって、建物の地震に対する強さを一般の方でも客観的に判断できるようになりました。

耐震等級は地震への強さによって「1・2・3(2024年3月時点)」に分類され、該当しない建物を「等級0」と表記します。

耐震等級0正式な等級ではないが、1981年建築基準法改正前に建てられた旧耐震基準建物で、耐震性能において現行の建築基準法に則していない建物を指す
耐震等級1建築基準法(1981年制定の新耐震基準)で定めている耐震性能で、大地震(震度6〜7強)の力を受けても、建物が“崩壊しない程度”に抑えられる
耐震等級2耐震等級1の「1.25倍」の耐震性能で、大地震(震度6〜7強)の力を受けても、建物の被害が“一部修繕が必要な程度”に抑えられる
耐震等級3耐震等級1の「1.5倍」の耐震性能で、消防署・警察署などの防災拠点と同等の耐震性能を持ち、なる建物と同等


その建物がどの等級に該当するかは、「建物重量・耐力壁の長さ・柱の数・耐力壁の配置バランス・基礎や床の耐震性」から、倒壊や損傷のリスクを評価して決められます。

※詳しくは、過去コラム「「耐震等級は意味ない」って本当?基礎知識やメリット・デメリットを解説」をご覧ください。

 

ポイント

耐震等級の基準となる震度6〜7強の大地震とは「数百年に一度起こる大地震」を指し、耐震等級1であっても“理論上は”それに耐えられる耐震性能があることになります。

ただし、最近は震度6〜7強の地震が頻繁に発生しており、耐震等級をクリアしていても、「地震ダメージの蓄積」によって損傷・倒壊するケースが増えています。

 

 

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「耐震等級1」の住宅はどのくらいある?割合は?

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現行の建築基準法で定められた基準を満たしていれば、必然的に「耐震等級1」と同等の性能があるということになります。

そのため、制度ができる2000年以前に建てられ、その後耐震リノベーションをしていない住宅は、基本的に全て「耐震等級0もしくは等級1」の家です。

では、2000年以降に建てられた住宅はどうでしょうか?

一般社団法人 住宅性能評価・表示協会が行った調査では、年度によってそれぞれの等級(構造躯体の倒壊等防止)が占める割合に変化が見られます。

年度耐震等級1耐震等級2耐震等級3
2005年19.4%5.1%75.4%
2010年3.5%10.2%86.2%
2015年2.0%5.3%92.7%
2020年0.5%2.2%97.3%
(出所:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会|住宅性能評価を受けた新築住宅に係る統計情報の集計について


これだけ見ると、耐震等級が新築住宅のほぼ100%を占めているように見えますが、住宅性能評価書の交付を受けている住宅は、新築住宅全体の30%程度なので、その他の住宅については多くの住宅が耐震等級3の基準を満たしているかは分かりません。(参考:国土交通省|令和4年度の住宅性能表示 制度の実施状況について

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耐震等級がなくても地震に強い家もあります

 

 

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「耐震等級1で十分・大丈夫」「耐震等級2・3じゃないと危ない・不安」どちらが本当?

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インターネットなどでは、「耐震等級1で十分」と「耐震等級2・3でないと危険」という両極端な意見が上がっています。

結論から言うと、「どちらも間違いではなく、正解でもない」と言うのが正しいでしょう。

では、その理由をくわしく紹介します。


耐震等級1は“最低限”の耐震基準

耐震等級1は、現行の建築基準法による耐震基準を満たしていることが条件です。

建築基準法第1条では、制定の目的を「国民の生命、健康及び財産の目的の保護」としていますが、現在の耐震基準は「国民の生命」を守るのにとどまっています。

なぜなら、地震による倒壊を防げるレベルは、家を建てる地域や地盤の状態に大きく左右され、全国一律にルール付けするのが難しいからです。

そのため、建築基準法の耐震基準は、大地震の際に人命を守るために、建物が“崩壊しない程度”に設定されています。


免震・制振の性能は耐震等級の評価対象にならない

地震に強い家にするための方法は、「耐震」だけではありません。

建物と地盤を切り離して地震力を建物へ伝えないようにする「免震」や、地震力を受け流して建物への影響を抑える「制振」も、有効な方法です。

ところが、住宅性能評価制度には免震・制振に関する基準はありません。

つまり、たとえ耐震等級1であっても、その代わりに免震・制振を取り入れた構造であれば、地震に十分耐えられる家になる可能性はあるということです。


耐震等級2・3“だけ”では不十分な可能性も

耐震等級2・3レベルの住宅であっても、地盤が緩ければ地震時の地盤沈下によって倒壊・半壊する可能性があります。

実際に、東日本大震災では建物が無事だったのにもかかわらず、液状化によって家が傾き、大きな被害が出たエリアもありましたし、能登半島地震では半径300キロの範囲で液状化が発生して住宅が傾いたという報告もあります。

つまり、地震に強い家にするためには、耐震性能を耐震等級2・3程度にするだけでは不十分かもしれないと言うことです。

また、耐震等級2・3にすると、間取りの制限が増えたり、建築コストが上がったりする可能性もあり、適切な地盤改良が行われていなければ、いくら家を丈夫にしたところで、地震の被害は防ぎきれません。

そのため、最近はただ耐震等級を高めるだけではなく、高品質な地盤改良と免震・制振を組み合わせた総合的な構造プランを取り入れる住宅が増えています。

※耐震等級2・3の認定を受けることで得られるメリットもあるので、気になる方は過去コラム「「耐震等級は意味ない」って本当?基礎知識やメリット・デメリットを解説」をご覧ください。

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その家の地震への強さを判断する際には、耐震等級だけではなく総合的にチェクすることが重要

 



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地震への強さを決めるのは「耐震」だけじゃない|「地盤・免震・制振」も考慮した構造計画がポイント

耐震等級3“相当”には要注意
狭小地でも開放感のある免震住宅。

住宅における地震への抵抗力を判断する指標である耐震等級ですが、地震に強い家にするために必要なのは、耐震性能だけではありません。

“本当に”地震に耐えられる家にするためには、以下の条件を満たしている必要があります。

「地盤が強固」

いくら家が丈夫でも、地盤が軟弱であれば、大きな地震で一気に家が傾く可能性がありますし、小さな地震でも度重なって起これば、徐々に家が傾く不同沈下のリスクがあります。

実際に、東日本大震災や能登半島地震では、建物の被害は免れたものの、地盤の液状化現象によって住めなくなった住宅が多数出てしまいました。

硬質地盤を選ぶのがベストですが、東京都心部など液状化リスクのある軟弱地盤でも、地盤調査を行い、適切な地盤改良を施せば、地震に強い家になります。


「耐震と免震・制振を組み合わせた構造」

耐震は建物の強度を上げて地震に抵抗する手法ですが、地震大国である日本においては、それだけでは不十分と言われています。

耐震性能だけを高めるのではなく、建物の規模や立地条件に合わせて、免震・制振の性能をプラスすることが重要です。

住宅においては、コストと性能のバランスが良い「耐震+制振」もしくは「耐震+免震」の手法がおすすめです。

ただし、免震・制振を取り入れた設計施工を行えるハウスメーカー・工務店は限られてくるため、知識と経験が豊富な建築会社を選びましょう。

 

「緻密な構造計算」

現在の建築基準法では、一般的な2階建て木造住宅は建築確認申請において、構造計算を必須項目としていません。

2025年以降は、2階建て木造住宅でも構造に関するチェックが省略できなくなるものの、やはり詳細な構造計算をしなくても建築確認は通過できてしまいます。

ところが、本来は間取りや地盤によって必要な耐震・免震・制振性能は異なり、その家に合わせた構造設計をしなくてはいけません。

構造設計では、大きく分けて以下の3つの地震力に対して構造的な対策をとる必要があります。

  • 建物に対して平行にかかる力=「横揺れの力」
  • 建物に対して垂直にかかる力=「縦揺れの力」
  • 建物に対して不均等にかかる力=「ねじれの力」



これらの全てに抵抗できるようにするためには、細かな分析と計算が欠かせません。

そのため、全棟に詳細な構造計算を行う建築会社がおすすめです。

 

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アイホームズは、昭和43年創業時から『孫の代まで安心して暮らせる家づくり』を信念とし、各種有資格者がチーム一丸となって、お客様のマイホーム計画をお手伝いしてきた実績があります。

施工地域は、墨田区・江東区・台東区・荒川区・足立区・葛飾区・江戸川区・北区(東側)・文京区・千代田区・中央区・千葉県市川市・松戸市(南部)・埼玉県八潮市と限定させていただいておりますが、これは「何かあったときにすぐ駆けつけられる家のお医者さん」をモットーとしているからです。

“アイホームズ”はお客様に安心して住んでいただける地震に強い家を実現させるために、以下の方法を採用しています。

「綿密な構造計算」

全棟へ、間取りや土地の条件を踏まえた綿密な構造計算を行なっています。

「徹底した地盤調査」

地盤の詳細まで調査できるSW(スウェーデン式サウンディング)試験機を使用した地盤調査を実施しています。

「適切な地盤改良」

必要に応じて、液状化現象にも対応できる地盤改良を実施しています。

「高強度な基礎が標準仕様」

一般的なベタ基礎(鉄筋太さ10mm・基礎幅120〜150mm)よりも強度の高い、直径13mmの鉄筋+基礎幅180mm(もしくは耐Qパネル)を標準仕様としています。

「安全性が立証されている最先端技術」

東日本大震災や熊本地震でも高い安全性が証明された「最先端地盤改良(HySPEED ハイスピード工法)」や「免震⼯法(スーパージオ⼯法)」、「制振工法『SSダンパー』」を組み合わせたプランをご提案しています。

これらの工法を施工できる建築会社は、都内でもほんのわずかです。

「充実した保証サービス」

条件によって、「地盤保証(最大3億円・10年間)」「液状化保証(最大1億円・10年間)」「免震保証(最大1億円・10年間)」を提供しています。

「第三者機関による厳しい検査の実施」

第三者機関による「基礎配筋検査」・「構造検査」・「断熱検査」・「外壁検査」・「完了検査」を実施して、お客様に100%安心していただける住まいづくりを行なっています。

 

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まとめ

耐震等級は、一般の方でも住宅の耐震性を客観的に分かりやすく理解するために必要な制度ですが、それだけを過信するのは要注意です。

家の地震に対する抵抗力は、耐震性能だけで判断できません。

だからこそ、耐震だけではなく地盤強度や免震・制振を踏まえた総合的な構造計画が必要です。

“本当に地震に強い家”を建てたい方は、耐震工法と地盤改良、免震・制振技術を組み合わせたプランを提案してくれる建築会社へ相談しましょう。

アイホームズは、昭和43年創業以来、東京23区内で地震に強い家を数多く手がけてきた実績があります。

ずっと安心して住み続けられる家を建てたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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著者情報

五十嵐 照勝

五十嵐 照勝代表取締役社長

昭和43年創業時から、アイホームズは『孫の代まで安心して暮らせる家づくり』を信念としています。
ご家族だけで決められない事や資金計画を元に無理なく建築できる範囲を、永年蓄積された弊社の施工事例を基にお答えさせていただきます。お客様自身が『孫の代まで安心して暮らせる家』に末永くご満足いただけるよう、誠心誠意サポートいたします。

保有資格
  • 一級建築士

  • 1級建築施工管理技士

  • 1級土木施工管理技士

  • 宅地建物取引士

  • 不動産資産診断士

  • 不動産アドバイザー

  • 住宅ローンアドバイザー

  • 耐震診断士

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