「間口が狭い土地」で暮らしやすい間取りをつくる8つのコツ|意味の解説や施工事例も
「間口が狭い土地を検討・所有しているけど、理想のマイホームが建てられるのか心配‥」と悩んでいませんか。
確かに、間口があまりにも細い土地を見ると、本当に家を建てることができるのかと不安になりますよね。
そこで今回は、間口が狭い土地で暮らしやすい間取りをつくる8つのコツをご紹介します。
実際の施工事例をもとに解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
■ 間口が狭い土地とは、道路に接している敷地の幅が狭いという意味です。
■ 間取りの工夫を取り入れることで、間口が狭い土地でも明るくて広々と感じる家を建てることができます。
■ 間口が狭い土地の施工実績が豊富な住宅会社に相談し、快適に暮らせる住まいを提案してもらいましょう。
「間口が狭い土地」の意味とは
間口が狭い土地とは、道路に接している敷地の幅が狭い土地という意味です。
狭小地は面積が小さい土地なのに対して、間口が狭い土地は幅が狭いだけなので敷地の面積が小さいとは限りません。
都心部などの建物が密集している昔ながらの住宅地には、間口は狭くても奥行きが深い土地は数多くあります。
間口が狭くて細長い形状の土地は「うなぎの寝床」とも呼ばれ、建築の難易度が高いなどの理由で購入を避ける方も少なくありません。
間口が狭い土地のデメリット
間口が狭い土地のデメリットをご紹介します。
①接道が2m以下の間口は建築不可
そもそも、間口が狭すぎる土地はマイホームが建築できない可能性があるため注意しましょう。
建築基準法では、原則として幅員4m以上の公道に敷地が2m以上接していなければならないとされています。
第四十三条建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
一自動車のみの交通の用に供する道路
二地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路
土地を購入する際は、住宅会社などのプロにサポートしてもらうなど、対策することをおすすめします。
②建てられる住宅の間取りが限られる
間口が狭い土地は、建てられる住宅の間取りが限られます。
例えば、リビングの横に和室をつくりたいと思っても、建物の幅が足らなくて採用できないなどの事例です。
他にも、L字型のLDKのレイアウトが採用できず、縦長の一直線LDKになるケースも少なくありません。
一般的には、幅・奥行きのバランスが取れた整形地が間取りをつくりやすく、間口が狭い土地は設計の難易度が高いと言われています。
③日当たり・風通しの確保が難しい
間口が狭く、周りが建物などで囲まれている土地の場合、日当たりや風通しの良い家づくりがしにくいです。
道路側だけしか日差しを取り込めないため、建物の奥の方は暗くなってしまうケースも少なくありません。
また、周りが建物に囲まれていると風が通り抜けにくく、ジメジメした空気環境になるというリスクもあります。
④隣家との距離が近くなりやすい
間口が狭い土地は、敷地の幅を活かした間取りづくりをするため、隣家との距離が近くなりやすい点もデメリットです。
「民法」では隣家と自宅を境界線から「50cm以上」離すこととされていますが、昔ながらの住宅地では守られていない事例も見かけます。
- 話し声や生活音が気になりやすい
- 室内へ目線が届きやすい
- 火災時にもらい火のリスクが高まる
- エアコンの室外機などの音が気になる
プライバシー面や火災などに対するリスクが主なデメリットです。
また、ご自宅が3階建ての場合、2階建ての隣家の屋根に設置された太陽光パネルが反射して眩しいなどの事例もあります。
隣家の状態をチェックした上で間取りをつくることが大切です。
⑤間口が狭いと並列駐車ができない
間口の狭さによっては、並列駐車ができず縦列駐車になったというケースもあります。
車を2台持っていて両方とも利用頻度が高い場合は、使いにくさを感じるかもしれません。
また、間口が狭い狭小地の場合、そもそも駐車スペースが確保できないこともあります。
購入する土地を住宅会社に見てもらい、要望に合わせた家づくりができるか相談することをおすすめします。
⑥施工費用が割高になる
間口が狭い土地は、大きな建設重機が入らないケースもあり、小型の重機や手作業に切り替わると施工費が割高になります。
建材や足場の搬入などに影響が出ることもあり、より多くの手間や人件費がかかるケースも少なくありません。
また、敷地内に職人さんの車を停められない場合は、近隣の駐車場を借りるなどの諸経費も必要です。
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間口が狭い土地のメリット
デメリットが多いと認識されている間口が狭い土地ですが、メリットもありますので確認しましょう。
①間口が広い土地と比べて価格が割安
間口が狭い土地は、広い土地と比べて価格が割安なケースが多いです。
建築の難易度が高いことから、エリアによっては間口が狭い土地は売れ残って値下げされるケースもあります。
敷地の購入価格を抑えて、マイホームづくりの費用を抑えたい方や建物にこだわりたい方は、間口が狭い土地も検討してみましょう。
②希望のエリアで土地が見つかる可能性が高まる
間口が狭い土地も選択肢に入れれば、希望のエリアで土地が見つかる可能性が高まります。
売地が少ないエリアや都心部では、狭小地や変形地などが多いため、条件の良い土地を探していても中々出会うことが難しいです。
間口が狭い土地のような変形地を選択肢に含めることで、土地探しの難易度を下げることができます。
③道路からの視線を遮りやすい
間口が狭い土地は道路と接している幅が少ないため、プライバシー性が高まる点がメリットです。
間口が広い土地の場合、道路面に大きな窓をたくさんつけることで視線が気になったという事例もあります。
日当たりの確保が難しい間口が狭い土地は、2階以上にメインの居住空間を配置することも多く、プライバシー性に配慮した間取りをつくりやすいです。
④風や音の影響を受けにくい
近隣が建物で囲まれている間口が狭い土地は、風の影響を受けにくい点もメリットです。
建物に強い風が当たりにくいため音などが気になりにくく、飛来物が当たるリスクを軽減できるという一面もあります。
また、建物が道路に接する面が少ないため、交通量や人通りが多くても騒音が気にならない間取りづくりがしやすいです。
【施工事例】間口が狭い住宅の間取りづくり|8つのコツ
施工事例を活用しながら、間口が狭い住宅の間取りづくりのコツをご紹介します。
①3階建て以上にする
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間口が狭い土地の場合、2階建てでは日当たりの良い部屋を多く確保しにくいケースもあります。
3階建て・4階建ての住まいにすることで、より多くの空間に日差しを取り込むことが可能です。
また、周囲の家よりも高さをつけると障害物がなくなり、日当たりの良い家になります。
<おすすめコラム>
・3階建て狭小住宅の魅力と間取り・設計ポイント|都市部での快適な暮らしを実現
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②吹き抜けで日当たりを確保する
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周りが建物に囲まれた間口が狭い土地で、1階の日当たりの確保が難しいなら、吹き抜けの採用がおすすめです。
高い位置に窓があれば1階まで明るい日差しが届きます。
吹き抜けは開放感が生まれるため、間口が狭い建物でも広々とした空間づくりができる点も魅力です。
③高い位置に縦すべりの窓をつける
建物の間口が狭くて幅広の窓が付けられないなら、高い位置に縦すべり窓を施工しましょう。
高い位置の窓は、隣家によって日差しが遮られにくく、多くの日差しを取り込めます。
さらに縦すべり窓を並べて配置し、内側に吊元が来るようにそれぞれを施工することで、窓を空けたときに風の通り道をつくることが可能です。
「ウィンドウキャッチ」と言われる手法で、住宅密集地などで風を取り入れたいときに使われます。
④極力壁や段差をつくらない
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間口が狭い建物は両側の壁が近いため、圧迫感が出やすいです。
壁で細かく空間が仕切られていたり、小上がりなどの段差があったりすると、余計に窮屈に感じることもあります。
面積が同じでも広く感じる間取りにしたいなら、壁や段差をなくす方法がおすすめです。
耐震性を考慮しながら、壁を減らしたフラットな間取りを検討しましょう。
⑤埋込収納やニッチを採用する
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間口が狭い建物に収納を置くと、さらに空間がコンパクトになってしまいますよね。
そこで、壁厚を利用して埋め込み収納やニッチを採用することがおすすめです。
10cm程度の奥行きが確保できるため、LDK・寝室・トイレ・洗面所などの細々した物を収納できます。
ニッチは飾り棚として使ってもおしゃれなので、空間を狭めずにデザイン性を高めたい方にもおすすめです。
⑥内装を明るい色でコーディネートする
間口が狭い家の圧迫感を減らしたいなら、内装は明るい色味でコーディネートしましょう。
白をベースとした内装なら、開放的な印象を与えることができます。
また、色や柄を使いすぎると視覚的に狭く感じるケースもあるため、シンプルに内装デザインをまとめることもポイントです。
⑦屋上をつくる
>吹抜け×屋上テラス×太陽光パネルのある高気密高断熱の免震住宅(墨田区)
間口が狭い狭小地の場合、敷地内に庭をつくれないケースも少なくありません。
また、庭があっても隣家と近くてプライバシー性が気になるという意見もあります。
屋上をつくれば、日当たりの良いプライベートな庭を実現することが可能です。
せっかくマイホームを建てるなら、屋外空間も活用できる間取りづくりを意識してみてくださいね。
<おすすめコラム>
・屋上のある家でできること4選│おすすめする人と注意点も解説
⑧1階をビルトインガレージにする
間口が狭い狭小地で駐車場の確保が難しいなら、1階をビルトインガレージにする方法もおすすめです。
敷地内に駐車ができれば、車を手放したり月極駐車場を借りたりする必要がありません。
ビルトインガレージを物置代わりに使うことや、ガレージと玄関ポーチを兼用することで、さらに省スペース化が可能になります。
シャッター付きのビルトインガレージなら愛車を盗難や天災から守れるというメリットもありますので、車をお持ちの方はぜひ検討してみてくださいね。
<おすすめコラム>
・ビルトインガレージのある3階建ての耐震|倒壊の危険性、耐震補強の方法など解説
・ビルトインガレージで後悔した事例13選|それぞれの対策も詳しく解説
まとめ
間口が狭い土地は価格が安いなどのメリットはありますが、一般的に設計の難易度が高いと言われています。
しかし、間取りの工夫によっては、間口が狭い土地でも暮らしやすい住宅を建てることが可能です。
間口が狭い土地の施工実績が多い住宅会社に相談し、理想の暮らしを実現する住まいを提案してもらいましょう。
アイホームズは、昭和43年創業以来、東京23区内で「高気密高断熱+高耐震」の家をリーズナブルな価格で数多く手がけてきた実績があります。
間口が狭い土地を所有している方や購入を検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社 アイホームズ
FAX:03-3613-6149
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