【地震に強い家の構造】木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造どれがいい?特徴を徹底比較
地震によって大きな被害を出した能登半島地震の記憶も新しいでしょう。
比較的新しい住宅も被災したとされています。
そうなると気になるのが、「地震に強い家の構造」についてですよね。
住宅の主要な構造種別は、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造とありますが、耐震の観点においてどれを選べばいいか迷っている方もいるはずです。
そこで、今回は「地震に強い家の構造」という観点で、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造のメリットとデメリットを徹底比較します。
地震に強い家を建てたい方に知っていただきたい建築会社選びのポイントも紹介しますので、これからマイホーム計画を始める方は、ぜひ参考にしてください。
■ それぞれメリット・デメリットがあるため、ご自身にとって「コスト・性能・将来を含めたライフスタイル」全てのバランスがいい構造を選ぶことが重要です。
■ アイホームズには、昭和43年創業以来、都内を中心に数多くの「地震に強い家」を手掛けてきた実績があります。
目次
住宅に用いられる構造躯体|木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の割合
日本において、住宅へ主に採用される構造は「木造・鉄骨造(S造)・鉄筋コンクリート造(RC造)」です。
鉄骨造と鉄筋コンクリート造を組み合わせた「鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)」を用いる場合もありますが、住宅において採用されるケースはかなり限られます。
では、新築専用住宅におけるそれぞれの割合を見てみましょう。
2012年・2022年ともに最も多いのが「木造」で、2022年の割合は「56%」です。
木造に次いで多いのが鉄筋コンクリート造で、2022年の割合は「28%」となっています。
構造ごとの割合は、2012年から大きな変化はありません。
では、なぜ日本では木造住宅が多く建てられているのでしょうか。
木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
木造住宅の耐震性におけるメリット・デメリット
木造住宅は、日本において最も古くから施工されている様式です。
世界文化遺産にも指定されている奈良県にある法隆寺(建立607年)は、現存する世界最古の木造建築として知られています。
そのため、日本では長年積み重ねられてきた知識と経験に基づく、最も信頼性の高い建築構造と言われています。
では、木造住宅の耐震性能におけるメリットとデメリットについてお話しします。
■ 建築コストが安く、耐震性能へ予算を充てやすい。
■ 木材の“しなり”によって地震力を受け流しやすい。
■ 最も古くから建てられているため、地震に対する技術開発が進んでいる。
■ 枠組壁工法は壁で耐力を確保するため、地震時の変形や歪みに強い。
■ 在来軸組工法は梁や柱で耐力を確保するため、ある程度の耐震性を確保しつつも、大空間を実現させやすい。
■ 独自の耐震工法を採用している会社も多く、建築会社の選択肢が多い。
■ 建物重量が他の構造よりも軽いため、地盤への負荷が少なく、不同沈下のリスクが低い。=地盤改良費用がリーズナブル
■ 万が一地震で倒壊・半壊しても、材料の重量が軽いため、被害を最小限に抑えられる。=避難がスムーズ
地震大国である日本において、どなたも「地震に強い家にしたい」と強く願っているはずです。
しかし、ご予算が無限であるケースはほとんどないでしょう。
その点において、木造は最もリーズナブルに耐震性の高い家を建てられる点がメリットです。
また、地震対策としての技術開発や工法発展が活発で、多くの選択肢から建築会社を選べる点も大きな魅力と言えます。
ただし、耐震性能において、木造住宅にデメリットがない訳ではありません。
■ 結露や雨漏りなどによる構造部材の腐朽やシロアリ被害によって、新築時に設定されていた耐震性能が維持できない可能性がある。
■ 枠組壁工法は、壁で耐力を確保するため、大空間を作りづらい。
■ 在来軸組工法は、柱と梁など構造部材の接合部を強固にしないと、地震力によって歪みやすい。
■ 建築基準法で定められている耐震性能は、“最低レベル”であり、建築会社によって地震への強さに差が出やすい。
■ 一般的な工法では5階以上の建物を建てられない。
木造の最も大きな欠点は、「湿気に弱い」という点です。
壁内に発生した内部結露や、外壁・屋根のメンテナンスを怠ったことによって発生する雨漏りによって、構造体が腐食したりシロアリ被害を受けたりする可能性があります。
また、建築基準法で定められている耐震性能は、あくまでも“最低限確保すべき性能”であり、十分とは言えない点は否めません。
鉄骨造住宅の耐震性におけるメリット・デメリット
鉄骨造は、使用する鋼材の厚みによって「重量鉄骨造(鋼材厚さ6mm以上)」と「軽量鉄骨造(鋼材厚さ6mm未満)」に分かれます。
3階建て以下の戸建住宅には、主に「軽量鉄骨造」が用いられ、4階以上ですと「重量鉄骨造」が用いられるケースが大半です。
では、鉄骨造の耐震性能におけるメリットとデメリットを見てみましょう。
■ 主要な構造体同士が強く結合するため、地震力が蓄積されても耐震性能が落ちる可能性が少ない。
■ 鋼材の“しなり”によって地震力を受け流しやすい。
■ 鉄骨材は工場で大量生産されているため、工期が短く性能が安定している。=湿度や温度による変形リスクが低い。
■ 結露や雨漏りによる耐震性低下のリスクが低い。(鉄骨も腐食するが、性能に支障をきたすまでの期間は木材よりもかなり長い)
■ 梁や外壁内の鉄骨柱で耐力を確保するため、間取りの自由度が高く、大空間を実現させやすい。
鉄骨造は、強固な柱と梁で地震に抵抗します。
そのため、耐震性はとても高いとされており、全壊するリスクもかなり低いと言えるでしょう。
ただし、木造と同様に、デメリットがある点は否めません。
■ 木造よりコストがかかる。
■ 建物重量が重くなるため、地盤改良に費用がかかる。
■ 太くて長い鉄骨を現場へ搬入しなくてはいけないため、道路の狭い場所や住宅密集地での施工が困難。
■ 地震に伴い火災が発生した場合は、急激かつ急速に耐力が低下する可能性がある。
■ 施工できる建築会社が限られる。
鉄骨材は、太い鋼材を使う上に、それを運ぶ大掛かりな重機が必要です。
そのため、木造住宅と比べると、コストが高い点は明らかです。
また、搬入や施工の都合上、狭小地や住宅密集地ではそもそも建築できない可能性もあります。
そして、鉄骨造の家を建てる上で必ず知っておかなくてはいけないのが、火災についてです。
鉄骨の原料である鋼は、500°C 以上の温度にさらされると、一気に強度が落ちて変形してしまいます。
そこで必要となるのが、耐火被覆(鉄骨造の主要構造部に防火材料を被せて熱から守る)です。
防火地域・準防火地域に指定されているエリアでは、建築基準法によって耐火被覆が義務付けられていますが、それ以外の地域でも、火災への備えは欠かせません。
そのため、鉄骨造を選ぶ際は、耐火建築物の設計施工実績が豊富な会社を選びましょう。
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鉄筋コンクリート造の耐震性におけるメリット・デメリット
鉄筋コンクリート造は、「鉄筋=引っ張り力への耐性」と「コンクリート=圧縮力への耐性」を組み合わせたハイブリッドな工法です。
地震の揺れによる変形力へは鉄筋で抵抗し、圧縮力にはコンクリートで抵抗するということです。
主にマンションなどへ採用されますが、戸建へ用いられるケースも増えています。
■ 壁・床・天井が強固なコンクリートで形成されており、“面”で耐力を確保するため、地震による変形に強い。
■ コンクリートは1000℃の熱に長時間さらされても燃えないため、地震に伴う火災に強い。
主要構造部が強固なコンクリートで作られているため、地震による変形や火災に強い点がメリットです。
ただし、メリットだけではなくデメリットもありますので、事前に把握しておきましょう。
■ 木造・鉄骨造よりもコストがかかる。
■ 現地でコンクリートを流すため、工期が長い。
■ 将来的な窓の移動(サイズ変更)や、間取り変更をしにくい。
■ 建物重量が重くなるため、地盤改良に費用がかかる。
■ ひび割れから雨水が侵入すると、鉄筋が錆びて膨張し、表面のコンクリートを押し上げて破壊する“爆裂現象”が起きて、耐震性が低下する。
■ 施工できる建築会社が限られる。
鉄筋コンクリート造は、床・壁・天井と面によって耐力を確保します。
そのため、それらを改修によって一部変更することは基本的にできません。
「地震に強い家」木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造で迷った時のチェックポイント
「地震に強い家を建てたい」となっても、木造・鉄骨・鉄筋コンクリート造のどれを選べばいいか決断することは簡単ではありません。
木造・鉄骨造・鉄筋造の地震に対する特徴をまとめると、以下のようになります。
- 木造が最も建築コストを抑えられる
- 木造住宅は自重が軽いため、地盤への負荷が少ない
- 木造(一般的な工法)は5階以上の建物に採用できない
- 鉄骨造は地震に強いが火災に弱い
- 鉄筋コンクリート造は地震時の変形リスクが低いが建築コストは最も高い
- 鉄骨造・鉄筋コンクリート造は建物重量が重いので、木造よりも大掛かりな地盤改良が必要
これらの特徴をまとめると、最も耐震性に対するコストパフォーマンスが高いのは「木造」ということになります。
国土交通省の調査によると、構造別の工事費(1㎡あたり)は以下のようになります。
木造住宅 | 18万円/㎡ |
鉄骨造 | 30万円/㎡ |
鉄筋コンクリート造 | 33万円/㎡ |
木造住宅と鉄筋コンクリート造を比べると、1.5倍以上の価格差があるということです。
ところが、木造住宅よりも鉄筋コンクリート造の方が1.5倍地震に強いとは言い切れません。
また、メンテナンス費用も鉄筋コンクリート造の方がかかりますし、増改築しにくいというデメリットもあります。
家を維持していくためには、地震への耐久性だけではなく、維持コストや将来のライフプランについても検討することが重要です。
ただし、木造では基本的に4階建てまでしか建てられません。
そこで登場するのが、鉄筋コンクリート造よりも安価で耐震性も高い「鉄骨造」です。
火災に弱いというデメリットはありますが、十分な耐火仕様にすることで、安全性を確保できます。
地震への強さを推しはかる上で、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造はそれぞれ“一長一短”です。
「コスト・性能・住み心地・将来の可変性」全ての視点でご自身のスタイルに合う構造を選びましょう。
アイホームズは東京で“地震に強い”木造・鉄骨造住宅を手掛けています
私たち“アイホームズ”は、墨田区、江東区、台東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区、北区(東側)、文京区、千代田区、中央区、千葉県市川市、松戸市(南部)、埼玉県八潮市で、“地震に強い家”を数多く手掛けてきた実績があります。
当社の施工エリアは、液状化リスクが高く、狭小地の多い住宅密集地が大半です。
そのため、特に地震への対策が欠かせません。
● 地盤の詳細まで調査できるSW(スウェーデン式サウンディング)試験機を使用した徹底した地盤調査を実施しています。
● 必要に応じて、液状化現象にも対応できる地盤改良を実施しています。
● 一般的なベタ基礎(鉄筋太さ10mm・基礎幅120〜150mm)よりも強度の高い、直径13mmの鉄筋+基礎幅180mm(もしくは耐Qパネル)を標準仕様としています。
● 都内でも施工会社が限定される「最先端地盤改良(HySPEED(ハイスピード)工法)」や「免震⼯法(スーパージオ⼯法)」、「制振工法(装置『SSダンパー』)をご提案しています。
● 条件によって、「地盤保証(最大3億円・10年間)」「液状化保証(最大1億円・10年間)」「免震保証(最大1億円・10年間)」をご提供しています。
● 第三者機関による「基礎配筋検査」・「構造検査」・「断熱検査」・「完了検査」を実施して、お客様に100%安心していただける住まいづくりを行なっています。
地盤保証制度など、ご安心いただけるサービスもご用意していますので、“地震に強い家”を建てたい方は、お気軽にご相談ください。
特に、免震工法であるスーパージオ工法は2011年に発生した東日本大震災や、2016年に発生した熊本地震でも倒壊することなく、液状化による不同沈下も免れました。
「100%安心して暮らせる家を建てたい」という方は、ぜひ一度会いホームズまでご相談ください。
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まとめ
住宅に用いられる構造は、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造と種類がありますが、地震への強さを比較すると、それぞれメリット・デメリットがあります。
ポイントは、ご自身にとって、「コスト・地震への耐久性・生活スタイルのバランスが良い」構造を選ぶという点です。
アイホームズは、昭和43年創業時から『孫の代まで安心して暮らせる家づくり』を信念とし、木造(4階建てまで)と重量鉄骨造(6階建てまで)を数多く手掛けてきました。
施工エリアは墨田区、江東区、台東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区、北区(東側)、文京区、千代田区、中央区、千葉県市川市、松戸市(南部)、埼玉県八潮市と、何かあったときにすぐ駆けつけられるエリアに限らせていただいております。
アイホームズでは「耐震」「制振」「免震」をうまく組み合わせ、地震に強い家を実現しています。
通気工法と断熱材にこだわることにより、高気密高断熱の家を実現します。
「費用を抑えて、希望の住まいをお得に建てたい」アイホームズは適正なコストダウンでお客様の無理のないご予算内でのご提案に努めます。
品質の向上とコストの低減は、当社自慢の職人によって可能にしています。
住宅完成保証・住宅瑕疵保険・地盤保証・液状化保証・免震保証・最長60年長期保証(オプション)で永く安心して暮らせます。
マイホームづくりを検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社 アイホームズ
FAX:03-3613-6149
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