住宅密集地でストレスを感じる理由|建築時にできる対策と密集市街地のリスクも解説
住宅密集地への建築に対して不安をお持ちではないでしょうか。
実際に、都内などの住宅密集地で生活すると、様々なストレスに悩まされる方もいるようです。
そこで今回は、住宅密集地でストレスを感じる理由と建築時にできる対策をご紹介します。
特に注意が必要な「密集市街地」についても解説しますので、家づくりにお役立てください。
■ 住宅密集地での暮らしは、隣家の音や視線が気になったり日当たりや風通しが悪くなったりと、生活のストレスを抱えるリスクがあります。
■ 老朽化した木造住宅が密集している密集市街地では、地震や火災時の延焼リスクなどを理解し、建築時の対策が必要です。
■ 住宅密集地で起こり得る様々な事例を熟知し、きめ細やかな設計をしてくれる住宅会社に家づくりを依頼することをおすすめします。
目次
住宅密集地とは
住宅密集地とは、住宅が密集して建っているエリアのことを指します。
土地開発でコンパクトな分譲地がつくられたり、相続などで土地が分割されたりして徐々に狭い土地が増えていき、住宅密集地ができてしまうケースが多いです。
住宅密集地は狭小地が連なっているため、家を建てると隣家との距離が近くなり、様々なストレスを抱える原因になることもあります。
住宅密集地の家でストレスを感じる理由と対策
住宅密集地を家を建ててストレスを感じた具体例をご紹介します。
対策も併せて解説しますので、住宅密集地を検討中の方や建築予定がある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
日当たりが確保できなくて暗い
隣家との距離が近い住宅密集地は、日当たりが確保しづらく家が暗いことにストレスを感じる方も多いです。
また、日差しが室内に届かないと室温が上がりにくく、冬場は部屋が寒いという意見もあります。
昼間でも電気や暖房器具をつけなければならず、光熱費が高くなるケースも少なくありません。
窓の大きさや配置を工夫したり、吹き抜けの間取りを採用したりして、少しでも日差しを取り込む工夫をしましょう。
また、LED照明の採用や高気密高断熱住宅を建てて高性能な暖房器具を導入などにより、光熱費を抑えることができます。
<関連コラム>
・日当たりが悪い家でも快適な暮らしを実現|日当たりが悪い部屋を明るくする11の工夫
風通しが悪くてジメジメしている
住宅密集地は周りの家が風を遮ってしまい、風通しが悪くなりやすいです。
採風が確保できないと室内がジメジメしているように感じ、心地よい気温の季節でも窓から風を取り込むことができません。
建物などの障害物がない面に、風を取り込みやすい縦すべり窓を複数配置するなどの工夫をしましょう。
また、機械の力で換気する「第一種換気システム」を導入し、家中の空気を効率的に入れ替えることで快適に過ごせるようになります。
隣家があることで圧迫感が出る
家が密集していると、窓を開けたときや外に出たときに、圧迫感や閉塞感があってストレスを感じるケースもあります。
特に、隣家の外観色が黒などのダークカラーだと圧迫感が出やすく、実際の面積より部屋や庭が狭く感じることも多いです。
間取りの工夫によって、隣家が気になりにくい住まいをつくることがポイントです。
例えば、吹き抜けをつけて縦方向に広がりを持たせて不要な壁をなくすことで、開放感のある空間づくりができます。
>吹抜け×屋上テラス×太陽光パネルのある高気密高断熱の免震住宅(東京都墨田区八広2丁目)
また、境界に明るい色の目隠しフェンスを建て、隣家の黒い外壁が目に入りにくいような工夫をすることも1つの方法です。
バーベキューなど庭のアクティビティが楽しみにくい
住宅密集地は、庭でのアクティビティが楽しみにくい点がストレスに感じる方も多いです。
バーベキューをすると臭いや煙が原因で隣家とトラブルにつながったり、子供が庭で遊んでいると音が気になると注意されたりする可能性もあります。
また、庭にいるときに隣家からの目線が気になったという意見も少なくありません。
屋上テラスを採用することで、外でのアクティビティが楽しみやすくなります。
>吹抜け×屋上テラス×太陽光パネルのある高気密高断熱の免震住宅(東京都墨田区八広2丁目)
高さのある場所で、バーベキューなどを楽しめば煙などで隣家に迷惑をかけにくいです。
また、屋上なら隣家から目線が届かないケースも多いため、プライベートな時間を満喫できます。
室内にいても隣家からの視線・音が気になる
庭だけでなく、室内にいても隣家からの視線や音が気になるケースもあります。
特に窓を開けている季節は隣家の様子が分かりやすく、ストレスに感じやすいです。
間取りの設計時に隣家の窓の位置をチェックし、被らない配置にするなどの工夫を取り入れましょう。
家の遮音性・防音性を高め、高効率な換気や冷暖房設備を採用し、窓を開けない暮らしを選択することも1つの方法です。
隣地の植栽などが越境している
隣家の植栽が越境してきて困ったという事例もあります。
ご近所トラブルを避けたくて、気付いていても中々言い出せない方も少なくないようです。
また、隣家の子供が敷地内に入ったボールを無断で取りに来たり、おもちゃが当たって車が傷ついたりするなどのケースもあります。
隣地との境界を明確にする高めのフェンスや、愛車を守れるビルトインガレージの間取りの採用がおすすめです。
また、入居前には近隣住宅へ挨拶へ行き、隣家とのコミュニケーションを取りやすいような環境をつくることも対策として挙げられます。
火災時に延焼のリスクがある
住宅密集地は、隣家から出火したときに自宅へ延焼するリスクが高いです。
反対に、自宅での火災時に隣家へ燃え広がることも想定できます。
耐火性能の高い外壁材を使ったり、建築基準法で定められた耐火・準耐火建築物を建てることで、家の防火性能を高めることができます。
通常の住宅と構造や使用する建築材が異なるため、耐火・準耐火建築物の施工実績が豊富な住宅会社へ相談しましょう。
「密集市街地」への建築は特に注意が必要
住宅密集地の中でも「密集市街地」に指定されているエリアは、特に注意が必要です。
密集市街地の概要やリスクなどをご紹介します。
密集市街地とは
密集市街地とは、老朽化した木造の建築物が密集していて公共施設が整備されていない地域のことです。
密集市街地 当該区域内に老朽化した木造の建築物が密集しており、かつ、十分な公共施設が整備されていないことその他当該区域内の土地利用の状況から、その特定防災機能が確保されていない市街地をいう。
単なる住宅密集地でも様々なデメリットがあることをご紹介しましたが、老朽化した建物が密集している「密集市街地」ではリスクがより高まります。
密集市街地に潜むリスクを具体的に確認していきましょう。
密集市街地に潜むリスク
密集市街地には次のようなリスクが潜んでいます。
- 耐久性の低い家が多いため、地震時に倒壊する可能性が高い
- 耐火性が不十分な家が多いため、地震・火災時に大規模な延焼につながりやすい
- 公共設備が整備されていないため、災害時の避難が困難
また、公園や大型施設などの公共設備が整備されていないと、災害時の避難場所が確保しにくい点も留意しなければなりません。
昔ながらの市街地は道路が狭いため、緊急車両も侵入しにくいです。
行政による密集市街地への対策
行政も密集市街地のリスクを問題視しており、次のような対策を実施しています。
- 耐震改修や防火改修等の補助
- 老朽建築物、空き家等の除却への補助
- 地区内の公共施設(道路、公園、広場、コミュニティ施設等)の整備
また、東京都では密集市街地の住まいに対して、地震の強い揺れを感知して電気を自動的に遮断する「感震ブレーカー」を無償配布しています。
お住まいの地域によって内容は異なるため、該当エリアに建築する方は事前にチェックしておきましょう。
【まとめ】新築時にできる「住宅密集地」や「密集市街地」への対策
>吹抜け×屋上テラス×太陽光パネルのある高気密高断熱の免震住宅(東京都墨田区八広2丁目)
新築時にできる「住宅密集地」や「密集市街地」への対策をまとめます。
①日当たりや視線対策は窓の工夫がポイント
日当たりや視線対策には窓の工夫がポイントです。
- 隣家の窓と位置や高さをずらす
- 型ガラスにして視線を遮る
- 障害物がない面に大きな窓を施工する
- 高窓や吹き抜けの窓を採用する
設計前にしっかりと現地を調査して、適切な窓の配置を考えてくれるような、設計力のある住宅会社に依頼することも大切なポイントです。
②風通しや音へのストレスは防音・換気性能の向上がカギ
風通しや音へのストレスを軽減するためには、建物の防音性能や換気性能を高めましょう。
- 防音性の高いサッシや断熱材を施工する
- 効率的な換気システムを導入して窓を開けなくても快適に過ごせるようにする
住宅密集地に合わせたライフスタイルを確立できるような家づくりを検討して見てくださいね。
③間取りの工夫で開放感やプライバシーを確保する
開放感のある空間をづくりやプライバシーを確保のためには、間取りの工夫を取り入れましょう。
- 吹き抜けを採用して開放感のある空間に
- 明るい内装で室内の圧迫感を軽減させる
- 屋上テラスでプライベートな庭をつくる
- ビルトインガレージの間取りで愛車を守る
屋上やガレージなど、バリエーション豊富な間取りに対応できる住宅会社を選ぶこともポイントです。
<関連コラム>
・屋上テラスにデメリットはあるのか|後悔しないための設計のポイント、メリットなど紹介
・1階ガレージ・2階住居の間取り実例を紹介|メリット・デメリット、注意点など解説
④高断熱高気密住宅や高性能な空調設備の採用で光熱費を抑える
住宅密集地内の家は、電気や暖房器具の使用時間が長くなりやすいため、光熱費を抑える工夫を取り入れることをおすすめします。
- 高気密高断熱住宅で暖房効率を高める
- 高性能な空調設備で省エネ暖房を実現する
- LED照明の採用で電気代を節約する
- センサーライトをつけて電気の消し忘れを防ぐ
特に・、気密性や断熱性によって住まいの省エネ性能は大きく変わるため、高い住宅性能を実現できる住宅会社を選びましょう。
<関連コラム>
・高気密・高断熱の家を工務店で建てるなら東京のアイホームズへ|大手ハウスメーカー品質が30%安い理由
⑤耐火・準耐火・省令準耐火構造の家を建てて防火性を高める
住宅密集地や密集市街地での延焼を防ぐために、防火性能の高い住まいを建てることが大切です。
- 耐火構造:火災が鎮火するまでの間、建築物の倒壊・延焼を防止する性能をもつ家
- 準耐火構造:火災時に建築物の延焼を抑えるための性能を持つ家
- 省令準耐火構造:住宅金融支援機構が定めた防火性能を持つ家
そもそも密集市街地では、防火・準防火地域に指定されることが多いため、耐火・準耐火構造が建築の条件になるケースも少なくありません。
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住宅密集地への施工実績が豊富な住宅会社を選ぶことが大切
住宅密集地は、高い耐久性・防音性・防火性を持つ住宅を建てるだけでなく、日当たりやプライバシーを確保するためにきめ細やかな対策が必要です。
都内などの施工実績が豊富な住宅会社は、住宅密集地に住むストレスを熟知しているため、敷地に合わせて様々な対策を取ることができます。
施工事例などを確認し、どのような家づくりをしているのか事前にチェックして会社を選んでくださいね。
アイホームズは、昭和43年創業以来、東京23区内で「高気密高断熱+高耐震」の家をリーズナブルな価格で数多く手がけてきた実績があります。
住宅密集地への施工実績も豊富ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社 アイホームズ
FAX:03-3613-6149
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