「免震構造の家は地震に強い」って本当?メリット・デメリットと耐震や制振との違い、価格について
大きな地震の多い日本において、最近「地震に強い」と言われているのが免震構造です。
そこで、今回は建築士が「免震構造・免震工法」の仕組みからメリット・デメリットや、耐震・制振との違い、価格について詳しく解説します。
東日本大震災や熊本地震、能登半島地震でもその効果が立証された戸建住宅へ採用されている免震工法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
■ 免震構造・免震工法は、耐震や制振とアプローチが異なり、地震の揺れが建物へ伝わるのを防ぐ方法です。
■ 免震装置を採用する方法には、メリットとデメリットの両方があります。
■ 戸建住宅には、低コストで地盤改良と免震の両方に効果的な「スーパージオ工法」がおすすめです。
■ アイホームズは、昭和43年創業以来、これまで東京23区を中心に「高気密高断熱・高耐震」な木造・重要鉄骨造住宅を数多く手掛けてきています。
目次
能登半島地震でも効果を発揮した免震構造
2024年1月に発生した能登半島地震では、全壊・半壊など合わせて約127,000棟もの住宅が被災しました。(参考:内閣府|令和6年能登半島地震による被害状況等について|令和6年7月1日時点)
しかし、その中でも免震構造を採用した庁舎や病院などは地震後も継続して建物を利用できる程度の被害に留まっています。(参考:国土交通省|令和6年能登半島地震でも効果を発揮した免震構造!)
また、2016年に発生した熊本地震においても、軟弱地盤に立つ住宅の中で免震構造を採用した住宅は、目立った被害を受けずに済んだ実績もあります。
2011年に発生した東日本大震災では、液状化による住宅の沈下が問題となった千葉県においても、免震構造の住宅(※)は倒壊だけではなく不同沈下も免れ、ほぼ無傷の状態で済みました。
※千葉県船橋市にあった69棟のスーパージオ工法採用建物
このように、未曾有の大地震においても、免震構造の住宅が被災を免れた事例は多く報告されているのです。
免震構造の仕組み
免震構造とは、地盤と建物を切り離して揺れ(地震力)が直接住宅へ伝わらないようにする考え方で、免震装置を建物の下に設置します。
ひと昔前までは、公的な施設やマンションなど大きな建物へ採用される方法でしたが、近年は戸建住宅にも多く取り入れられています。
免震装置は、地震の揺れを建物へ伝えないだけではなく、液状化による不同沈下で建物が傾くのを防ぐこともできます。
そのため、軟弱地盤へ家を建てる際にも、地震対策として多く採用されています。
免震装置を建物の地下に設置して、装置が伸縮したり揺れに追従して動いたりすることで、地震力を吸収します。
免震装置の主な種類は以下の通りです。
【アイソレータ】
=建物の位置を水平方向で元に戻す役割
積層ゴム支承
平常時は地下で建物を支え、地震発生時に揺れを緩やかにします。
すべり支承
すべりやすくした板が地震の揺れへ追従してスライドし、建物へ伝わる地震力を軽減させます。
転がり支承
地震発生時に建物の下地へ設置されたボールが転がって、地震の揺れを受け流します。
【免震ダンパー】
=建物に伝わる揺れを抑える役割
鉛ダンパー
S字型の鉛が変形して、地震エネルギーを吸収します。
鋼材ダンパー
U字型の鉄が変形して、地震エネルギーを吸収します。
オイルダンパー
ダンパー内に満たされた油の力で、地震の揺れを抑えます。
【地盤置換工法】
=地盤と建物を切り離して揺れを伝えない役割
地盤置換材
建物重量分の土壌と入れ替えることで、緩衝材となり地盤から伝わる地震エネルギーを軽減させます。その他、液状化現象で地下水が地表へ噴出するのを防ぎ、不同沈下のリスクも抑えられます。
どの免震装置を用いるかは、建物規模や敷地の条件、ご予算によって異なります。
複数の装置を組み合わせるケースもあり、コスト・プランも含めて総合的に地震対策について検討することが重要です。
免震・制振・耐震の違い
地震対策として、免震だけではなく「耐震」「制振」というアプローチもあります。
これらは全て地震による被害を最小限に抑えるための手法ですが、考え方は少々異なります。
- 免震:地震力をそもそも建物に伝えないようにする
- 耐震:地震力に対して建物の強度を増すことで対抗する(変形を防ぐ)
- 制震:地震力を受け流す構造により建物の揺れをコントロールする
地震対策の方法 | 特徴 |
---|---|
免震 | ・建物の下へ設置する免震装置が揺れを吸収して建物のダメージを抑える ・建物自体が揺れることを防ぐため、窓ガラスの破損や家具の転倒を抑えられる ・建築基準法による規定がない |
耐震 | ・建物自体の耐久性を高めて地震による変形へ抵抗する ・建築基準法にて一定の性能が義務化されているため、最も一般的な方法 |
制振 | ・室内壁の中に設置する制振ダンパーが揺れを吸収して家のダメージを抑える ・建物自体が受けた揺れを軽減できるため、強風にも効果がある ・建築基準法による規定がない |
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免震構造のメリット・デメリット
耐震の技術は日々進歩しており、建築基準法などの関連法規による規定レベルも上がっています。
ところが、耐震だけでは建物へ地震の揺れが伝わるのは防げません。
そのため、近年は「耐震・制振・免震」構造のハイブリッドな住宅が増えています。
ただし、免震構造にはメリットとデメリットの両側面があるので、事前に知っておきましょう。
メリット
「地震から家と家財品を守れる」
想定を超える地震が起きても、免震構造はそもそも建物へ揺れを伝えない仕組みなので、耐震・制振よりも地震による被害を抑えられる可能性が最も高いとされています。
人命だけではなく、貴重な資産である家そのものや家具など室内にある家財品も損傷から守れるのです。
また、家具転倒による逃げ遅れや怪我などの二次災害を防げる点も重要なメリットと言えるでしょう。
「地震直後も住宅を使い続けられる」
耐震や制振の方法では、地震の揺れが建物に伝わり、いくら抵抗しても被害を受けることは十分考えられます。
また、過去の地震では小さな地震による影響が蓄積されて全壊に至ったケースもあります。
そのため、被害は小さくても、そのまま住み続けられない可能性があるのです。
それに対して免震構造は、建物自体を揺れの影響から守るため、地震後も継続して住み続けられるケースが大半です。
「揺れによる恐怖を軽減できる」
1995年に発生した阪神淡路大震災では、地震直後から揺れの恐怖や大切な方を亡くされた悲しみから、多くの方が“心のケア”を必要とされました。
それほど、大きな揺れが心理面・精神面に与える影響は大きく、特に小さなお子さんにとっては深く記憶に残ります。
免震構造は、不快で恐怖を与える地震の振動を軽減できます。(参考:一般社団法人 日本免震構造協会|免震住宅の計画)
「設計の自由度が高い」
免震装置は建物の下に設置されるため、基本的には間取りの自由度は下がらず、特別な制限もありません。
それに対して、耐震性を高めるためには構造壁を増やしたり筋交を入れたりなどの措置が必要で、制振構造の場合も制振装置を入れるための壁をバランスよくレイアウトする必要があります。
そのため、間取りの自由度が下がるケースも十分考えられます。
デメリット
「新築コストが割高」
アイソレータや免震ダンパーは、建物の下、つまり地下へ設置します。
そのため、一般的な住宅を建てるよりも建築コストは割高です。
アイホームズは、「地盤改良と免震構造」両方の役割を果たすスーパージオ工法を採用し、さらに広告費を抑えて大手ハウスメーカーよりも30%お安い価格で高性能住宅を提案しています。
「リフォームで後付けできない」
免震装置は建物の基礎と地盤の間に設置されるため、基本的にはリフォームで後付けできません。
対して、耐震・制振の方法であれば、リフォームで改修したり追加したりできます。
免震工法の住宅を検討している方は、新築・建て替え時に知識と実績の豊富な建築会社へ相談しましょう。
アイホームズは、免震はもちろん制振技術も取り入れて、総合的な構造計画により「地震に強い家」を実現できます。
「地下室を作れない」
免震構造は、地下に免震装置を置くため、地下室は作れません。
そのため、必要な居住スペースを地上部分で確保する必要があります。
アイホームズは、免震・耐震・制振をバランスよく取り入れた3階建て・4階建ての戸建て住宅を手がけています。
アパートや店舗併用住宅にも対応できますので、お気軽にご相談ください。
「敷地の条件によって装置や方法が限定される」
アイソレータや免震ダンパーは、建物が揺れることで地震力を吸収するため、住宅密集地など隣家や境界フェンスが近い場所ではうまく作用しません。
免震装置を設置するために作業スペースも必要なので、建蔽率いっぱいに家を建てる際は、設置できる装置が限られます。
また、重量の大きい免震装置は軟弱地盤に設置できない可能性もあります。
アイホームズが採用するスーパージオ工法は、土壌と免震効果のあるスーパージオ®材を置き換えるため、敷地広さや地盤の質は問いません。
東京23区の住宅密集地や軟弱地盤エリアでも採用事例が豊富です。
「装置によっては定期メンテナンスが必要」
アイソレータや免震ダンパーの中には、その機能を正常に保つため、5年・10年と定期点検などのメンテナンスをする装置もあります。
また、地下水位の高い湿った土壌では、湿気によって免震装置が錆びてしまうケースも少なくありません。
スーパージオ工法に用いられるスーパージオ®材は、環境に配慮した再生プラスチックでできているため、軽量・低コストなだけではなく、湿気にも強く、重量約5kgで2階建て住宅が約10軒乗っても大丈夫なほど高耐久です。
「台風による対策効果が小さい」
免震装置は、あくまでも地盤から伝わる地震エネルギーに抵抗するためのものです。
そのため、台風など建物自体で受ける揺れには効果がありません。
台風など強風による被害を抑えるには、制振装置が有効です。
そのため、耐震はもちろん、免震・制振どちらも施工可能な建築会社へ相談しましょう。
アイホームズは、免震工法と制振装置『SSダンパー』を組み合わせ、自然災害に強い家を提案しております。
地震への強さが実証済みの「スーパージオ工法」と「手厚い補償サービス」
アイホームズが採用している「スーパージオ工法」は、東日本大震災や熊本地震でも地震による被害を抑えた実績があります。
主な特徴は以下の3点です。
- 減震性能の高さ
スーパージオ材が緩衝材の働きをし、激しい地震の揺れを優しい揺れに軽減します。 - 液状化対策に効果的
スーパージオ材が噴出した水を一時的に取り込むことにより、液状化時に安定化させる効果があります。 - どんな土地にも設置可能
地盤補強工法では対策が困難な土地もスーパージオ工法ならどんな土地にも対応可能です。
さらに、安心の補償サービスも標準仕様としています。
- 地震補償 最大3億円
- 免震補償 最大1億円
- 液状化補償 最大1億円
上記内容を、最長30年(※)補償します。
※初回20年補償申込みで10年更新可能
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スーパージオ工法で地震に強い家を建てる|SG工法の家
まとめ
免震構造・免震工法を用いた住宅は、地震の揺れを直接受けず、建物と家財品の被害を最小限に抑えられる点がメリットです。
ただし一方で、耐震や制振技術よりもコストがかかる点などがデメリットとして挙げられます。
そこでおすすめするのが「スーパージオ工法」です。
コストを抑えながらも地盤改良と免震効果の両方を兼ねています。
詳しくは、アイホームズまでお問合せください
アイホームズは、昭和43年創業以来、東京23区内で「高気密高断熱+高耐震」の家をリーズナブルな価格で数多く手がけてきた実績があります。
株式会社 アイホームズ
FAX:03-3613-6149
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