地盤が緩い土地とは|地名などの特徴で見分けるポイント・マイホーム新築時の地震対策など解説
「マイホーム新築でせっかく要望に合う土地を見つけが、地盤が緩くないか不安」
「地盤ば緩い土地は地震に弱いのか気になる」
「強くて長持ちする住める家を建てたい」
そんな方のために、地盤が緩い土地の見分け方を徹底解説します。
地盤調査や地盤改良についても、詳しくお話ししますので、これからマイホーム新築計画を始める方は、ぜひ参考にしてください。
■ 地盤調査の結果に基づき、適切な「地盤改良」をすることで、地盤が緩い土地でも地震に耐えられる家を建てられます。
■ アイホームズは、昭和43年創業以来、都内を中心に数多くの“地震に強い”狭小住宅・三階建てを手がけてきた実績があります。
目次
地盤が緩い土地とは
海に囲まれ河川が豊富な日本において、地盤が緩い土地、いわゆる「軟弱地盤」は全国どこでも身近な場所にある可能性も。
国土交通省北陸地方整備局ホームページによると、以下のような土地が軟弱地盤に該当します。
- 粘土やシルト(砂より細かい土の粒子)のような微細な粒子が多い柔らかい土層が主な地盤
- 間隙の大きい泥・砂などから成る土層が主な地盤
- 地震時に液状化が発生するおそれのある砂質地盤
- 地下水位が高い地盤
- 盛土や大規模な造成をしている地盤
- その他、構造部の安定や沈下に影響を与える恐れがある地盤
■ 河川沿いの平野部
■ 海岸沿いの平坦な土地
■ 元々、海・湖・沼・谷底等であった平坦な土地
■ 元々、水田等であった平坦な土地
軟弱地盤は、ここ数千年で蓄積された比較的新しい地層である点もポイントです。
そのため、逆に「地盤が強い」と言われる地域は、古くから人々が生活を営んでいた地域が多く、江戸時代まで遡り住宅がある場合ですと、地盤が緩い土地はあまりありません。
地盤が緩い土地では地震の揺れが大きい・地盤沈下の危険性あり
地盤が緩い土地は、建物の荷重負荷や地震力によって不具合を起こすリスクが高くなります。
「液状化現象」
砂質地盤において、地震発生時に粒子の結びつきが解けて、地下水が上がり、強度が落ちる現象を指します。
「水よりも比重の重い建物が沈下・傾斜」「道路のマンホールが浮き上がる」などの現象が起こります。
「地盤沈下」
粘土層に含まれる砂などの間隙に閉じ込められた地下水が上がり、土が収縮し、地面が沈んでしまう現象です。
その上にある建物が不同沈下(一部分だけの沈下)や、均等沈下(全体的な沈下)すると、歪みや破損をもたらします。
「地震の揺れが増大」
軟弱地盤ほど地震力の影響を大きく受け、揺れを助長しやすいことが分かっています。
このような現象が発生すると、住宅そのものの耐力が低下するだけではなく、日常生活が送れなくなってしまいます。
- 建物の基礎や外壁など主要な構造部に亀裂・ヒビが発生する
- ドアや窓が歪んで開閉できなくなる
- 上下水管の接続不良が起きて、水漏れにつながる
- 建物に隙間ができて雨漏りの原因となる
- 小さな傾きでも、慢性的な自律神経失調症や目まい、頭痛、吐き気、肩こりなどの体調不良を引き起こす
部分的な不同沈下であれば、一時的に生活を継続することができますが、広範囲に及ぶ均等沈下ですと、速やかに避難しなくてはいけません。
どちらにしても、地盤沈下した場合は、迅速な補修工事が必須です。
地盤が緩い土地を見分ける6つの重要ポイント|地名、地盤が一目でわかるマップなど
地盤の緩い土地、「軟弱地盤」であるかどうかは、いくつかのポイントをチェックすると判別できる可能性があります。
① 地名から読み解く
その土地の地名は、性質や歴史を表しているものが多いため、そこから軟弱地盤かどうかが推測できます。
元々、海・川・沼・水源であった可能性を表す
「水」「川」「河」「江」「洲」「浜」「池」「沼」「沢」「泉」「岸」「瀬」「鴨」「魚」
これら以外にも、水や水生動物・水生植物を連想させる漢字が入っている地域は、地盤の詳細を調べることをおすすめします
地形や地質を表す
「久保」「窪」「低」「下」「谷」「泥」「田」「野」「稲」
これらの文字が含まれている地域は、かつて稲作が盛んであったり、植物が多く生息し、湿った土壌である可能性があります。
以下の文字が含まれている地域を見つけたら、ぜひ詳細を調べてみましょう。
「山」「岳」「峰」「台」「岡」「高」「上」「森」「林」「岩」「石」
② 地形から推測する
地名からもある程度推測できますが、地形や標高も確認しましょう。
低い土地は水が溜まりやすく、高い土地は水捌けが良い可能性が高いです。
地形図は、図書館や役所などで閲覧できますし、オンライン購入も可能です。
また、一般的な地図でも標高数値が記載されているものもあるため、周辺の高低差を知る手掛かりになります。
③土地利用状況を古地図・空中写真から推測する
過去にその土地がどのような用途に使われていたかを知ることで、地盤の特性が分かる可能性もあります。
例えば、昔水田であった土地は、地下水位が高かったり、泥質な地盤である可能性があります。
また、埋め立て地であれば、やはり地盤の強度をしっかり確認しなくてはいけません。
過去の土地利用状況を調べる方法として、最も簡単なのが、図書館や役所、都庁・県庁で過去の住宅地図を見ることです。
じっくり調べたい方は、かなり古くまで遡って古地図を見るのもおすすめです。
もう一つが、空中写真を確認する方法。
過去のデータを確認すると、地滑りや河川の氾濫、土石流などの災害状況が見られるかもしれません。
国土地理院ウェブサイト|地理院地図(電子国土Web)では、地図・空中写真を現時点のものと過去のものに遡って閲覧できます。
地下に昔使っていた通水路や排水溝があると、地盤が丈夫ではありません。
細くうねっている小道の先に現在も使われている水路や川がある場合には、暗渠である可能性があります。
④ ハザードマップ・液状化マップなどを見る
各自治体が公表しているハザードマップや液状化マップをみると、被災リスクの詳細を確認できます。
手軽にご自宅で見られるのが、「国土地理院ウェブサイト|重ねるハザードマップ」や、自治体HPへのリンクが貼ってある「国土地理院ウェブサイト|わがまちハザードマップ」です。
それぞれ、土地の特徴が書かれていたり、標高や災害リスクの高さが色付けされています。
⑤ 現地を訪れて兆候を見つける
思い立ったら、現地を訪れてみるのも一つの方法です。
ご自身の目で確認することで、不安な気持ちが払拭されたり、土地を買うかどうか迷っている際の決定打になったりします。
住宅が建っている土地の場合は、周辺の道路やコンクリート土間、塀、基礎に大きなクラック(ヒビ)や後発的に発生した段差がないか確認してください。
雨上がりに訪れ、大きな水たまりができていないかなど、水捌けを確認するのもおすすめです。
近隣の方に、土地を探している旨を伝え、情報を得る方法も。
ただし、どれもあくまでも“参考資料”であることを忘れてはいけません。
クラックは住宅の劣化によるものであったり、地域住民からの情報は個人的・感覚的ものである可能性もあります。
⑥ 地盤調査を依頼する
最も確実で信頼性が高い方法は、「地盤調査」です。
基本的には、購入後に行いますが、ある程度買う意思が決まった段階で、オーナーに過去の調査資料がないか尋ねてみてください。
過去に調査済みであれば、軟弱地盤が懸念されているエリアでも、既に地盤改良工事が行われているかもしれません。
売主の許可が得られれば、費用負担の上、購入前に調査できる可能性もあります。
地盤が緩い土地の現状把握には「地盤調査」が必要|費用・調査結果からわかること
地盤調査は方法やグレードによって内容が異なりますが、「その地盤がどれほどの建物荷重に耐えられるのか」「地質の種類」「地下水位」などが分かります。
地盤が緩い可能性のある土地では、沈下リスクや地盤改良の方法まで解明できるため、とても重要な工程です。
2000年の建築基準法改正以降は、家を建てる前の地盤調査が“義務化”されている点もポイントです。(建築基準法施行令第38条・第93条および国土交通省告示1113号)
ただし、義務化されている調査内容は地耐力に限るため、沈下リスクや地盤改良の方法を知りたい場合は、より詳細な調査が必要です。
地盤調査の費用相場
戸建住宅に用いられる主な地盤調査の方法は4種類で、それぞれ特徴が費用相場が異なります。
SWS試験
(スウェーデン式サウンディング試験)
戸建住宅の現場において、最も多く採用される方法で、小面積の土地で調査できる点が特徴です。
費用目安:1回につき7万円~10万円程度(30坪前後の土地)
SDS試験
(スクリュードライバーサウンディング試験)
SWS試験と方法は似ていますが、より地質の詳細を推定できます。
費用目安:1回につき7万円~10万円程度(30坪前後の土地)
ボーリング検査
(標準貫入試験)
地面に孔を開けて、そこにハンマーを落下させて地耐力を調査します。
大掛かりで騒音も発生しますが、調査データの信頼性が高いため、マンションやビルの現場にも用いられることも多いです。
ただし、機材が必要となるため、狭小地・住宅密集地では採用できない可能性があります。
費用目安:1回につき25万円~40万円程度(30坪前後の土地)
表面波探査試験
地面に専用機材で振動を与え、その伝わる速さで地耐力を推測します。
作業音が小さく、狭い土地でも調査できる上に、地下深度10m程度までの支持力や沈下リスクも調査可能。
ただし、地中に埋設物があると正確なデータが得られない可能性があります。
費用目安:1回につき8万円~12万円程度(30坪前後の土地)
※費用はあくまでも相場で、依頼業者・土地の状況などによって変わります。
詳しい費用は依頼業者にご確認ください。
立地や土地の広さ、既存住宅の有無、軟弱地盤の可能性の高さなどによって、異なりますので、地盤調査・地盤改良の知識が豊富な建築会社へ相談しましょう。
地盤調査結果からわかること
地盤調査は、地耐力、つまり地盤の強度だけが分かると思われがちですが、それだけではありません。
調査内容によって分かる範囲は異なりますが、以下の項目を調査することができます。
- 地盤の強さ(どれほどの建物荷重に耐えられるか)
- 過去に切土や盛土など宅地造成が行われているか
- 地下水量や地下水位の高さ、範囲(液状化リスク)
- 地盤の地質種類(土地がどのような特質を持つか)
- 地盤改良の必要性
- 地盤改良の適切な方法や施工範囲
お客様のご要望や土地の性質に合った調査方法を提案してくれる会社へ相談しましょう。
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「地盤改良」で安全なマイホームを新築する
地盤が緩い土地を避けるに越したことはありませんが、ご家族から引き継いだ土地や要望に合う土地など、様々な理由でそこに家を建てたいという方もいるでしょう。
液状化リスクの高いエリアを避けると、23区のほぼ全域で家を建てられないことになってしまいます。
その際に重要となるのが、「地盤改良」です。
地盤調査はあくまでも土地の性質を知る手段であり、そこへ安全に暮らせる住まいを建てるには、地盤改良工事が欠かせません。
薬液注入工法や表層改良工法、杭工法など、いくつもの方法があります。(詳しくは戸建住宅の液状化対策とは?11の工法について簡単に解説をご参照ください)
大切なことは、地盤改良の費用を建設コストとは別に予算へ入れておくこと。
地盤調査は通常、土地を購入後に建設プランが決まった段階で行います。
そのため、ある程度の余剰予算を用意しておかないと、改良工事にかかった費用をどこかで削ることになりかねません。
また、地盤改良に精通している建築会社へ相談すると、トータル予算を踏まえたプランを提案してもらえます。
まとめ
新築住宅を建てる際には、地盤が緩い土地を避けたいですよね。
その地域の歴史を紐解くと、地盤の特徴やリスクが分かるかもしれません。
確実に地盤の状況を知りたい方は、地盤調査・地盤改良についてしっかり知っておくことをおすすめします。
地盤調査の結果に基づき、適切な地盤改良を行えば、軟弱地盤が懸念されるエリアでも、ずっと住み続けられる住まいが建てられる可能性があります。
安心して家を建てたい方は、液状化現象などのリスクが高いエリアでの設計・施工実績が豊富な会社へ相談することがポイント。
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軟弱地盤での設計・施工は一般的な住宅建設とは異なるコツが必要です。
また、東京23区内などの都心部では、防火に関する法規制なども抑えなくてはいけません。
私たち“アイホームズ”は、昭和43年創業時から、『孫の代まで安心して暮らせる家づくり』を信念として『安全で強い家』にこだわりを持った地域密着⼯務店です。
施工エリアは墨田区、江東区、台東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区、北区(東側)、 文京区、千代田区、中央区、千葉県市川市、松戸市(南部)、埼玉県八潮市と、何かあったときにすぐ駆けつけられるエリアに限らせていただいております。
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株式会社 アイホームズ
FAX:03-3613-6149
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