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準防火地域で木造住宅の外壁・軒裏の制限と費用は?

2020年06月23日

準防火地域で木造住宅の外壁・軒裏の制限と費用について解説

準防火地域で住宅を建築する場合に家を建てるとき気になるのが、建物の構造や部材の制限です。しっかり事前に確認しておきたいところですが、建築基準法や条例を直接読むとわかりにくいかもしれません。そこで今回は準防火地域で耐火基準をクリアする方法や費用の違いなどをわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

準防火地域とは?

準防火地域とは、都市計画法で「市街地における火災の危険を防ぐために定める地域」で自治体が定めた火災発生時の延焼を食い止めるための規制に関する区域の一種です。

駅前や繁華街、建物が密集するエリア、幹線道路沿いなどが「防火地域」、その周辺が「準防火地域」となることが多く、さらにその周辺に建築基準法で定められた「法22条区域」があります。東京都の場合は、さらに「新たな防火規制区域」という規制もありますので、新築・増改築をされる場合は、必ず区域の指定を確認してください。

<関連資料>
コラム/防火地域、準防火地域とは?家を建てる時の制限や費用の違い、費用を抑える方法は?

 

 

準防火地域の建築費の目安

一般的には、準防火地域で木造住宅を建てる際の建築費は坪あたり90~100万円程度、あるいは準防火指定のない地域よりも10%~15%程度の費用が目安と言われます。もちろん、ハウスメーカーや工務店によって建築費は異なりますので一概には言えませんが、当社の場合、同様の仕様であれば、大手ハウスメーカーよりも2~3割ほど安価に建てることができます。

一般的な木造住宅よりも耐火性能が高い住宅を建てることができるというメリットもありますので、より安心して暮らすことができる住まいになると言えるでしょう。

 

 

準防火地域の木造住宅で利用できる素材、できない素材

準防火地は、延床面積500㎡以下の平屋もしくは2階建て住宅であれば、外壁や軒裏、開口部などに一定の防火措置を講じれば一般の木造建築が建てられます。延床面積500㎡以下の3階建ての建物の場合は、耐火・準耐火建築物に準じる一定の技術基準に適合する必要があります。

 

準耐火建築物とは、耐火被膜を施した木造住宅のことです。

耐火被膜とは、たとえば、以下のような考え方です。

  • 構造躯体(柱、梁、床など)=燃え抜けない、燃えて壊れない素材を使用すること
  • 内装(壁、床などの仕上材など)=燃えない、燃え広がらない素材を使用すること

 

木造軸組み工法を用いた準耐火構造の住宅の仕様

準耐火構造の住宅の仕様は、たとえば以下の様になります。

・屋根は不燃材を使用すること

・外壁・軒裏は防火構造にすること

・壁内にファイヤーストップ材※を使用すること

・最上階の天井は下地材料に石膏ボード12.5mmもしくは9.5mm×2枚等を使用すること

・内壁は下地材料に石膏ボード12.5mmもしくは9.5mm×2枚等を使用すること

・上部に床のある階の天井には石膏ボード9.5mm×2枚もしくは強化石膏ボード12.5mm+断熱材(ロックウールもしくはグラスウール50mm)等を使用すること

 

※火炎の通り道となる壁や天井内部の要所に施工する素材。防火の役割を果たす木材や断熱材を使用する場合が多い。

 

開口部(窓、ドア等)は耐火建築物と同様にする必要があります

耐火建築物に使える素材、使えない素材の一覧

たとえば、開口部は、防火窓、防火ドア、防火シャッターなどにする必要があります。

防火窓とは、延焼やバックドラフト現象を最小限にするために使用するもので、以前はガラスの表面や内部に金網が入る構造のものが多く、サッシ部分も熱に強く強度の高い重量のある部材が主流でした。最近は、視界も遮らない耐熱強化ガラスを使用して、軽量の「網なしガラス」を用いた防火窓もあります。

防火ドアも、ビルやマンションにあるような常時開放式で万一の際に自動的に閉鎖する防火ドアもあれば、一般住宅の普通のドアと遜色のない防火ドアもあります。最近は、特段の防火基準の制限がない一般住宅でも、近隣への延焼防止の観点からも防火ドアを使用するケースも増えています。

いずれにしても防火基準をクリアした部材を選ぶ必要がありますが、最近は、そのバリエーションやデザイン性の高い部材も充実してきましたので、以前ほどデザイン性を気に掛ける必要はなくなってきています。むしろ、昨今の災害に強い家づくりが主流になってきていることから、より安全安心な家づくりをするための選択肢はますます広がっていくと言えるでしょう。

 

 

東京都内の不燃建築物の助成金制度について

東京の不燃建築物の助成金制度の一覧

東京の防火地域、準防火地域などの住宅密集地で家を新築・建て替えをする際に、耐火建築物(もしくは準耐火建築物)の建築を推進するための助成金制度が利用できる場合があります。東京都の墨田区、荒川区、葛飾区、江東区、江戸川区の耐火建築物に関する助成金制度等の関連ページを↓こちらのコラムでも紹介していますので参考にしてください。

<関連情報>コラム/防火地域で木造住宅は建てられる?木造3階建てでも大丈夫?

 

まとめ

東京で家を新築・建て替えをする際は、都市計画法で定められた準防災地域に該当するケースが多くなります。準防火地域は、建築基準法によって、延床面積500㎡以下の平屋もしくは2階建て住宅は、外壁や軒裏、開口部などに一定の防火措置を講じることで一般の木造建築が建てられます延床面積500㎡以下の3階建てになる場合は、耐火・準耐火建築物に準じる一定の技術基準に適合する必要があります

準耐火建築物とは、屋根、軒裏などは防火仕様、壁、床などは耐火被覆を施すこと、窓やドアなどの開口部は防火仕様にするなどの規制があります。耐火・準耐火構造の指定によって、使える素材、使えない素材がありますが、最近はデザイン性も高い部材も増えていますので、インテリア性を気にすることは少なくなっています。一般住宅より10%~15%程度の建築費用はかかりますが、自治体によっては準防火地域でも助成金制度が利用できる場合もありますので積極的に利用するといでしょう。

特に都心の狭小密集住宅エリアであれば火災に強い家は必須です。地域の防災事情に詳しい工務店に、災害に強い土地探しから家づくりまで相談しながら家づくりを検討されることをおすすめします

 

東京の防火・準防火地域で火災に強い家を建てるならアイホームズにご相談ください

弊社の主な施工エリアとなる城東地区(墨田区、荒川区、台東区、葛飾区、江東区、足立区、江戸川区等)は、防火・準防火地域となり、非常に高い耐火基準を求められます。

防火地域での3階建て「アイホームズひのき」は、国土交通大臣の認定を受けた1時間耐火構造の木造住宅ですので鉄骨住宅と同等の耐火性能があります。

従来、木造軸組工法では建築できる地域や規模に多くの制約を受けていました。例えば商業地などのいわゆる防火地域では、100㎡超の建物や階数が3階以上の建物は、火災に強い「1時間耐火構造」の建物を要求され、木造の建築物はその制約を受けない範囲でしか建築することができませんでした。

狭小密集地という地域性に、より柔軟に対応できる、木造耐火構造「アイホームズひのき」は、準防火地域はもちろんのこと、防火地域内でも木造3階建ての快適な木の住まいを実現することができます。東京の防火・準防火地域で豊富な建築実績のあるアイホームズが「火災や地震に強い家を建てたい」というあなたの悩みを解決します。お気軽にアイホームズにご相談ください。

木造住宅「ひのき」シリーズを動画でも紹介していますのでぜひ参考にしてください。

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