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地震被害を抑える収納家具

2020年02月26日

■引き出しは最初の地震対策

皆さんこんにちは、中原です。

地震のとき、転倒防止によって家具が倒れなかったとしても、

中の収納物が飛び出して飛散することが考えられます。

 

洋服ダンス等、中に収納しているものが衣類なら

飛び出しても心配はいりませんが、瓶や皿等、

飛散して割れるようなものは、地震後の怪我等の

二次被害を受けないとも限りません。

できれば、対策をしておきたいものです。

 

最も単純な収納は棚ですが、

地震のときには置いてある物は落ちてしまいます。

対策として収納する度に紐をかける等の手間をかけると、

使い勝手が悪くなって、やがて日常的には外してしまうことになります。

 

地震のことを考えれば、

収納家具には扉が付いていることが、地震対策の始まりです。

その扉には、開き戸・引き戸・引き出しの3通りがあります。

 

そのままでも地震対策になるのは、引き出しです。

日常の開け閉めが楽になるように、

軽い力で動かせるようになっていれば、

引き出しも地震時に飛び出す可能性が高くなります。

 

和ダンスなどは、滑りは決して良くはありませんが、

キッチン等に使われている収納家具の引き出しは、

金物で軽く動かせるようになっていて、

地震の揺れで飛び出してくる可能性があります。

ただ、多くの引き出し用の金物では

ストッパーが付いているので心配はありません。

 

それ以前の話で、そもそも引き出しは上から取り出す仕組みなので、

低い位置にしか使われません。

その意味でも、

引き出しは地震に対しては心配の少ない扉であると言えます。

 

 

■引き戸と開き戸の地震対策

次に、引き戸も地震対策がいらない扉の1つです。

逆に、地震対策としてわざわざ引き戸が選ばれることもあります。

 

日常的な使い方の面でも、引き出しや開き戸は、

開けたままではその前を行き来することはできませんが、

引き違いの扉では開けたままでも行き来をして、

作業を続けることができます。

その意味でも、引き戸は便利な扉の形です。

 

ただ、家具の気密性が確保できないとか、

扉の面材に凹凸ができて揃わないことで

デザイン的にも制約があります。

日本の昔からの収納家具では、

標準的な扉としてつくられていたのですが、

今は少なくなりました。

結局、和風の家具を探さないと見つからないことが多いようです。

 

引き戸は、当然のことながら、

締めておかなければものは飛び出してしまいます。

また、軽く動く引き戸であれば、

地震で動いてしまうこともあります。

 

ただ、引き戸の扉が動く方向に揺れている場合は、

中にあるものは落ちにくく、

ものが落ちやすい方向に揺れている場合は、

引き戸の扉は開きにくくなります。

どちらにしても、引き戸の扉の家具は、地震への対策となります。

 

最後に、家具で最も多い扉が開き戸です。

通常の開き戸では、

地震のときに中のものが暴れて扉が開いてしまいます。

そのため扉に地震対策をしておく必要があります。

新しい家具であれば、対応している家具もありますが、

耐震ラッチの取り付けが必要です。

でも、じつはとても簡単に、自分でも対応することができます。

 

耐震ラッチは、お近くのホームセンターでも、

数百円程度で販売されています。

取り付け方の詳細は商品の説明書に任せますが、

ドライバーが1本あれば、誰でもが取り付けられるようなものです。

 

耐震ラッチは、そのままではロックがかかって開かず、

一度押すとロックが解除されて開くようになります。

閉じる時には、カチッと音がするまで閉めることで、

地震でも開かないようにロックされます。

開ける時には、一度押すという一手間が要りますが、

日常の活動の中で癖がついてしまえば気になることではありません。

 

また、耐震ラッチの中には、

通常に使うときは普通に開け閉めができ、

地震の揺れを感知してロックがかかる機能のものもあります。

いずれにしても、開き戸には地震対策が必要となります。

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