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工法は耐震性と断熱性を重視して選ぶ

2019年06月13日

皆さんこんにちは、五十嵐です。

 

「気密性」「断熱性」といった省エネ性能に次いで

高性能住宅の条件として重視されているのは

「地震に強い家」です。

熊本地震の影響もあり、この傾向は従来以上に

強くなってきています。

 

住宅そのものについていえば、

耐震性の重要なポイントは「構造」です。

壁のなかのこの構造が建物全体を支えるのですから、

そこに十分に地震対策が施されていなければ、

より高い耐震性は確保できません。

 

それぞれにメリットがある

2種類の木造工法

 

耐震性というと、木造よりも鉄骨やコンクリートづくりの家を

思い浮かべる人も多いかもしれません。

しかしながら、コストや高性能住宅に欠かせない

気密性などさまざまな面を考慮すると、

木造にも多くのメリットがあり、

より耐震性の優れた工法を選べば、

鉄骨やコンクリートづくりにも劣らない家にするのも可能です。

 

木造の伝統的な工法は大きく分けて2種類です。

ひとつめは、日本の木造建築の

伝統的な工法である「在来軸工法」。

これは、柱や梁などの軸を中心に、徐材という

いわゆる「筋交い」で家を支えるというしくみ。

雨が多く、高温多湿な日本の風土に

もっとも適した工法といわれています。

 

しかし、この工法では地震などの外力がかかった場合に

筋交いのかかった軸組の角に力が一点集中してしまい、

最悪の場合、倒壊につながる可能性が指摘されてきました。

ただし最近では、その点を考慮し軸組を金物で

補強するなどの対策が取られるようになり、

耐震性が向上しています。

 

2つめは、アメリカなどで採用されることの多い

「枠組み壁工法」、いわゆる「2×4(ツー・バイ・フォー)」です。

これは、壁や床や天井を「面」で支え、

6面体の箱の組み合わせで家をつくりあげる工法で、

外力を面全体に分散させることができるので、

軸組工法では耐えられないような

大きな力が加わっても耐え抜くことができるといわれています。

 

また最近は、両者のメリットをかけ合わせた

(パネル工法)も注目を集めています。

これは2×4と同じように面で支えて強度を増すために、

軸組のうえから決められた規格のパネルを

はめていくことで、面構造をつくり上げるという仕組みです。

 

在来工法より耐震性に優れていることはもちろん、

台風などの強い雨風などを代表とする耐候性にも優れ、

外部のあらゆる方向からかかる力を面全体で吸収し、

それを四方八方へ分散させますから、

非常に安定性が高いものといえます。

 

 

構造を考えれば高気密・高断熱にもメリットが

 

パネル工法には、家の資産価値に直結する

その他のメリットもあります。

たとえば使用するパネルに断熱性が備わっていれば、

耐震性に加え、気密性・断熱性の向上が図れます。

 

一般的に断熱材として利用される「グラスウール」には、

使いやすくコスト的にメリットが多い反面で

欠点も見受けられます。

一方、初めから断熱性能を組み込んで加工された

パネルを使用するパネル工法であれば、

その多くは解決可能です。

それでは、グラスウールとパネル工法での

断熱の違いをみてみましょう。

 

断熱材は、すき間があっては

それだけ性能が劣化してしまいます。

定型成型のグラスウールは筋交いの軸組角などに

はめ込むことができず、どうしてもすき間を

生じさせてしまいがちです。

 

一方、筋交いの代わりに断熱材を組み込んだ

パネルをはめ込むパネル工法であれば、

グラスウール+筋交いに比べて、

すき間は格段に少なくなります。

その分の断熱材が向上するのは当然です。

 

また、グラスウールは繊維ですから、

湿気や水を吸収してしまう性質があります。

外壁から染み込んだ水分により断熱性能が

低下するばかりではなく、吸収した水分で

軸を形成している構造部の木材を傷めてしまったり、

壁内結露の原因になってしまいます。

 

パネル工法ならばこの種のトラブルが大きく軽減されます。

パネルの素材にもいくつか種類がありますが、

パネルに利用する素材そのものが発砲ウレタンのような

ケースであれば、吸湿性・吸水性はほとんど

無視できますから、壁内結露などのトラブル

そのものを考慮する必要がなくなるのです。

 

 

POINT

■2×4と在来軸組工法を合わせ耐震性・耐久性を向上たパネル工法

 

■壁に断熱性能のあるパネルや発砲ウレタンを使用することで、

 省エネ効果がよりアップする

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