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「基礎」の選び方ひとつで家の性能は大きく変わる

2019年06月11日

皆さんこんにちは、五十嵐です。

 

住宅の耐震性や耐久性など、

土台となるのが「基礎」です。

家そのものの性能やデザイン、

間取りなどにはこだわっていても、

この基礎部分に関しては住宅メーカーや工務店に

おまかせというケースが少なくありません。

ところが、この基礎はつくり方によっては家に

悪影響を及ぼすことにもなりかねませんから、

きちんと施工されているかどうか、

確認する必要があるのです。

 

3種類の基礎のなかでも、主流は「ベタ基礎」

 

「基礎」とは、そのうえに建つ住宅の重荷を支え、

建物と地盤とを結ぶ下部構造のことです。

地下にしっかりとした固い地盤がある場合などに

用いられるのが「布基礎」で、家の壁面の下に連続して

断面逆T字形になるコンクリートと鉄筋の

組み合わせを設置します

 

これに対して建物の底面すべて、つまり住宅の

床下全体にコンクリートを流し込み、床板のように

敷きつめるのが「ベタ基礎」です。

比較的軟弱な地盤の場合に用いられ、内部に鉄筋を

通した1枚のコンクリートが板状になって

接地面積を広くし、全体で建物を支える構造です。

 

それに加え大規模な建物などで利用される「杭基礎」

というものもあります。

これは軟弱な地盤の場合に地下深い固い支持層まで

杭を打ち込み、そのうえに通常の基礎を設置するケースで

「パイル」といわれる杭の素材には、木、鉄骨、

コンクリートなどが用いられます。

 

ただし、この杭基礎は工事も大がかりになり、

コストも時間もかかってしまいますから、

一般の木造住宅ではベタ基礎が一般化しています。

これにより家の耐震性が大きく向上するほか、

ベタ基礎の特性を活用すれば断熱性能や

メンテナンス性を高めることも可能になります。

 

家の寿命は基礎の施工次第で変わる

 

一方、基礎はその施工次第では家全体の性能に影響を

及ぼしてしまうような問題を発生させるものでもあります。

 

たとえば、家の耐震性や耐久性を高めるために、

基礎部分にアンカーボルトという構造用金具を

設置することが義務づけられました。

 

ところが、このアンカーボルトは、現場の施工次第では

逆に耐久性を損ねてしまうことにもなりかねません。

住宅建築現場などで基礎から上に向けて金具が

突き出しているのを目にすることがあると思います。

 

ところがよく見ると、それは正確に一直線に

並んでいるものばかりではありません。

施工精度が低いためにそのような状況が生じるのですが、

これでは設計上の理論強度を発揮することは

難しくなってしまいます。

 

またベタ基礎などで、底面と立ち上がり部分を段階的に

つくっていく工法では、コンクリートに継ぎ目ができてしまいます。

この継ぎ目は強度を下げるばかりではなく、水やシロアリの

侵入を招く通路になる恐れもあります。

よかれと思って採用したベタ基礎がかえって耐久性までをも

下げてしまう可能性さえでてくるのです。

 

また、基礎部分では電気設備や水回りの配管工事なども

行われます。

それらの工事にともなってすき間ができてしまうことも

少なくありません。

 

基礎工事がしっかりと行われているか、コンクリートに

継ぎ目ができていないか、アンカーボルトなどの

構造用金物はしっかりと設置されているかなど、

気を付けるべきことはたくさんあります。

家の資産価値を落とすことのないように、

住宅が完成してからでは見えなくなってしまう基礎は、

施工途中から注意しておく必要があるのです。

 

 

POINT

■一般化の進む「ベタ基礎」は耐久性などの面からメリットが多い

■コンクリートの打設、構造用金具の設置方法などの施工精度が重要

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