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生活導線の設計が家の価値を決める

2019年06月10日

家を建てるなら、やはり誰もが「素敵だね!」

と言ってくれるような家を建てたいと考えるのは当然です。

テレビなどで見かける、いわゆる「建築家がデザインした家」は

さすがに見た目もひと味違うお洒落な佇まい。

 

しかも、見た目の良さだけでなく

建築家の手がけた家には”暮らしやすさ”

という特徴があります。

ライフステージに限定されず、誰にでも使いやすい

スタンダードな家をデザインしてくれるのです。

とはいえ、自分の家の設計を建築家に依頼するとなると

時間や料金などの面で高いハードルがあるのも事実です。

 

一般的に、設計を建築家に頼む場合には、

建築費の10%程度が料金相場といわれ、

3000万円の家なら300万円の建築設計費が別途必要になります。

できるだけコストを抑えた高性能な家づくりを考えると

安易に建築家にデザインを依頼するわけにもいきません。

 

家族みんなの暮らしやすさがデザインされた家

 

工務店などで家の設計を行うのは、

おもに設計士とよばれる人たちです。

彼らは与えられた予算と家に求められる機能の

折り合いを付けた住宅を設計してくれます。

 

ただし、いい方を変えれば、それは予算を優先し

快適さと便利さの最低基準をクリアした家でしかないともいえます。

建て主(施主)にとっては必ずしも暮らしやすい、

あるいは実現したかったものとは違っているかもしれないのです。

 

設計士に求められているのはあくまでも

予算内で建てられる機能的な家です。

デザインなどの独創性、そこに住むことになる人の

要望に応えるといった点は二の次になりがちです。

 

一方、建築家が手掛ける家は、

施主の住まいであると同時に自分にとっては作品。

それだけの思い入れがこもっています。

とはいえ、建築家のすべてが常時奇抜なデザインの

家だけを手掛けているわけではありません。

 

たとえば、お母さんが「キッチンで料理をしながらリビングの様子を

一望できて、2階の子ども部屋にも声をかけやすい家」

を建てたい、と考えたとします。

建築家ならこれを、既存の枠組みの中でできることや

同じような要望に応えた前例とは異なった視点、考え方から

実現しようとしてくれるはずです。

 

その結果、同じ材料、同じ予算で建てた家であっても、

設計士ではなく建築家が手掛けるだけで

まったくクオリティの異なる住宅になるのです。

 

どのような家を建てることが家族にとっての

幸福や豊かさにつながるのか、

といった根本のプランニング力の差がそこに現れます。

せっかく一生に一度の家を建てるなら、

建築家にデザインとプランニングを頼みたい

と思うのは当然のことでしょう。

 

あらかじめの準備がデザイン料をリーズナブルに

 

建築家の住宅が高価になってしまう一番大きな理由は、

建築家が施主の要望にトコトン付き合おうとするからです。

 

たとえば、要望通りの家を建てるために

打ち合わせを何度でも重ね、

図面も限度なく何度でも提出してくれます。

 

それはひとえに、建築家が施主の望む家を自分なりに解釈して、

もっとも幸福になれる家を建てたいという、

家のプロならではの高い意識が根底にあるからです。

 

設計士の場合、その家に自分の作品というまでの

こだわりはありません。

あくまでも予算を睨みながら実現可能なプランを

立てて設計することが仕事だからです。

もちろん家そのものへのこだわりが少ない分、実際に家を作る

プロとしてコストや法的な規制面での安心感があります。

 

それでは、家をデザインするという点について、

建築家と設計士ではどちらが優れているのでしょうか。

普通、こんな家にしたい、という「家の芯」にあたる

希望や要望はあっても、そのディテールに至るまで

こだわるというケースはほとんどありません。

 

つまり、「家の芯」となるエッセンスにさえ

建築家のプランニング力を借りることができれば、

そのほかの部分は設計士など現場のプロに

お任せでもいいはずです。

 

つまり、施主の望みと建築家が得意とする部分を

適切にマッチングすれば、建築家ならではの

快適な暮らしを実現するプランニング力を形にしつつ、

リーズナブルに家が建てられるのです。

 

具体的には、建築家と打ち合わせ回数を必要最低限に定め、

設計費用を一般的水準で抑えること。

さらに素材やコストを抑えるための設計方法を

あらかじめ決めておけば、

快適さと適正価格が両立できるはずです。

 

ただしそのためには、回数の限られた打ち合わせで

要望を伝えられるように、自分たちがどのような

暮らしを望み、どのような家が良いと考えているのかを、

頭の中でしっかり具体化しておかなければなりません。

必要最低限の条件でムダなコストを抑え、

建築家ならではのエッセンスを加味した、

暮らしやすい家をリーズナブルに実現する可能性はそこから生まれます。

 

 

POINT

■建築家は家の暮らしやすさをデザインしてくれる

■コストを抑えるためのルールを把握して建築家に依頼する

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