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寝室の間取りを考える│快適に寝られる寝室づくりのコツを解説

2022年02月01日

日が当たり通風も確保された寝室

「せっかく注文住宅を建てるんだから、寝る時の環境にもこだわりたい!」

新築の間取りを計画する中で、このように思う人もいるでしょう。

人生の3分の1が睡眠時間になるといわれ、睡眠の質の大事さが説かれる昨今、快適に寝られる寝室を要望する声が大きいのはもっともです。

本記事では、快適に寝られる寝室を作るためのコツを紹介します。

こだわった寝室でぐっすりと眠って、翌日への疲れを残さないようにしましょう。

寝室に求められる広さ

収納・光環境の整った寝室

一般的に夫婦が寝るための寝室として確保される広さは「6畳」です。

6畳の広さがあれば、ダブルベッドを置いたりシングルベッドを2つ並べて置くことができ、人が通るのに支障ないほどの通路を確保できます。

ドアや収納など間取りにもよりますが、奥行きの浅いテレビボードを置いて、就寝前にテレビを楽しむこともできます。

多少の余裕を確保しながら夫婦が寝るための寝室の広さが「6畳」というのはひとつの最適解といえるでしょう。

次に議論に上がるのは「4.5畳」の広さです。

狭小住宅で床面積が限られている場合、寝室は寝るためだけに使うので小さくする、こういった場合に話題にあがります。

この場合でも、ダブルベッドを置くことやシングルベッドを2台置くことができるので、寝室としての機能は十分果たせます。

ただし、テレビや収納を置くことは難しいと考え、寝ることを主目的に使用する前提で4.5畳を選択しましょう。

快適に寝られる寝室づくりのコツ

畳敷きで快適に就寝できる寝室

ここから本題の「寝室づくりのコツ」について解説します。

寝室の間取りを考えるうえで大事な心構えは「おしゃれなデザインよりも、いかに落ち着いて寝やすい環境を作るか」です。

新築を計画するとき、どの部屋もおしゃれに飾りたくなりますが、寝室については考え方を改め、寝ることに主眼を置いて設計しましょう。

来客が入ることのない寝室は、趣味の色を出せる数少ない部屋ではありますが、好みの色として例えば桃色の壁紙を用いると、普段の生活では気になりませんが、いざ就寝する際には落ち着かず心身が休まらないかもしれません。

寝室だけはデザインより落ち着きを重視して考えましょう。

照明計画はよく考えて

快適に寝るために大事な要素のひとつは「照明」です。

照明計画をしっかり考えることで寝室の間取りは大きく前進します。

最初に考えるのは「照明の種類」です。

新築を計画するときに最も使用されることの多いダウンライト、日常生活では問題ありませんが、いざ寝ようとすると刺すような光が見に飛び込んできて目が冴える原因になってしまいます。

部屋全体を明るくするための全般照明としてはよいのですが、就寝直前のためにダウンライトの他にもうひとつ、光源が上を向き優しい光で部屋全体を照らす間接照明を考えておきましょう。

建築時に壁に取り付けてもよいですし、ベッドサイドにテーブルランプを置くことを前提として、マクラを置く方向にコンセントだけでも確保しておきましょう。

さらに就寝前の照明には明るさを調節できる調光機能がついていると、そのときの気分に合わせて光量を調節できるので便利です。

通風計画もよく考えて

睡眠を考えるうえで大事な2つめの要素は「通風」です。

就寝時の通風は、窓から窓へ吹き抜ける自然風と、エアコンや扇風機から発生する風の2つがあります。

自然風は、就寝時に窓を開けることで外気を取り込んで温度や湿度の調整を図るものです。

窓の高さ、数、設置方向を検討して、寝室に適度な風が通り抜けるように設計しましょう。

例えばベッドではなく、布団を敷いて寝る場合は床と同じ高さに地窓を設ければ風が淀まず快適に寝られるでしょう。
どんな寝方をして、どこに窓を設ければ快適に寝られるか考えてみましょう。

次にエアコンや扇風機の風を考えることも大事です。

就寝時に顔に風が当たり続ければ、のどや肌の乾燥に悩まされることになりますし、適切な位置にコンセントが無ければ、扇風機からのコードが伸びっぱなしになり夜間、足を引っ掛ける原因にもなります。

素材もよく考えて

寝室のように長い時間を過ごす場所では、「壁や天井の素材にもこだわる」とよいでしょう。

一般的なビニールクロスは豊富なデザインが魅力です。
一方で珪藻土や漆喰などの自然素材は見た目は地味ですが、調湿・防臭・抗菌機能が期待できるので、利用を検討してみましょう。

また、天井に無垢の木材を利用するのも手です。

木の木目を眺めたり、匂いをかぐと人は落ち着きを感じます。この性質を利用して、部屋の一部にでも木材を利用することで落ち着いた部屋に一歩近づくでしょう。

寝室づくりの注意点

注意不足で完成してしまった暗い寝室

ここからは寝室を作るときに考えておくべき注意点について解説します。

隣家からの視線を気にして

最初の注意点は、「隣家からの視線が入らないか」を気にすることです。

寝室はゆっくりとくつろぐために、隣家や道路からの視線が入ってはならない場所です。

しかし、家が完成して寝室に立ってみたとき、隣家と窓が向かい合わせになっており、常にカーテンを閉めた状態を余儀なくされる場合があります。

2階に設置されることの多い寝室は、建築後でないと窓の位置関係が分かりにくく、設計段階で気づきにくい問題です。

設計図面の中で「配置図」をよく確認して、窓が向かい合わせにならないか、どうしても向かい合わせになる場合は擦りガラスを検討するなどして対策を取りましょう。

音を気にして

寝室で静かに就寝するためには「音」を気にすることも大事です。

例えばリビングと隣接する寝室にすると、テレビの音が寝室まで漏れてしまい寝る人と起きる人の間でケンカが起きてしまいます。

この場合、リビングと寝室の間にウォークインクローゼットなど緩衝室を設けて、直接音が響かないようにする工夫を採りましょう。

人によっては外に置くエコキュートやエアコンの室外機運転音も気になる場合があるので、寝室と場所をずらして置くように計画しましょう。

まとめ│安眠できる環境を考えてみよう

掃き出し窓から外を望める寝室

快適に寝られる寝室づくりのコツについて解説しました。

寝室づくりの難しい点は「就寝時に快適な環境が人によって異なる」ことにあります。

本記事の内容を頭に入れた上で、設計者に一任せず自身でも寝室について検討を加えることが、満足いく寝室づくりを成功させるカギといえるでしょう。

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著者情報

五十嵐 照勝

五十嵐 照勝代表取締役社長

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