中古物件は住宅ローンが組みにくいってホント?審査の基礎知識を解説!
「中古物件は、住宅ローンが組みにくいから気を付けて」と言われることがあります。
たしかに中古マンションを購入するとき、新築と同様には組みにくいことがあります。
でも実際はポイントさえ押さえればそれほど難しくはありません。
そこで今回は住宅ローンの仕組みとポイントについてご紹介します。
目次
住宅ローンとは?
住宅ローンとは、「購入する住宅を担保にして住宅購入資金を融資する金融機関のローン」のことです。購入する住宅を担保にすることで、万一、借入をした人がローンの返済ができなくなった場合でも、金融機関は、その住宅を売却することで融資した金額を回収することができるのです。この担保があるから、金融機関は、年収の何倍もの金額を融資してくれるわけですね。
住宅ローンは、様々な金融機関で商品が開発されており、銀行・信用金庫・信用組合・JAなどでも取り扱いをしていますので、身近な金融機関の商品をチェックしてみるとよいでしょう。ポイントは、金利、審査基準、手続きなどを、比較して検討してみることです。条件ごとに金利が異なる場合があるので単純比較はできないかもしれませんが、この時点では、まずは、「こんなものがあるんだな」ということを理解しておくだけでもいいでしょう。
一方で、政府系の住宅金融支援機構(元住宅金融公庫)の「フラット35」は、固定金利の金融機関の住宅ローンよりも低めに金利が設定されています。個人の住宅取得の推進のため、住宅ローン減税と合せて有利な金利設定になっているのです。
住宅ローンは、固定金利と変動金利があります。固定金利は、フラット35であれば35年金利が変わらないことが契約時に決まります。10年固定という民間金融機関の商品もあります。一方で、変動金利は、数年毎(実際は5年毎)に金利の見直しがされる仕組みです。変動金利のほうが一般的には金利が低めに設定されます。
中古住宅は住宅ローンが組みにくい?
中古マンションなどの中古物件だと、住宅ローンを組む際にローンを組みにくいと言われますが、実際はどうなのでしょうか?
先ほどご説明したように、住宅ローンは購入する物件を担保にしてお金を貸してもらうという仕組みですので、購入する物件によっては、希望する金額までは借りられないということはあるのが実際です。
その際のポイントは、担保価値です。
中古住宅は、新築と比較すると、資産価値に差があります。3,000万円の新築物件を購入する際は、担保については3,000万円の融資であれば特段問題にはなりません。新築物件(マンション・一戸建て)の場合は、主に返済能力(年収・年齢等)などが重視されます。
一方、中古住宅のローン審査では、担保価値が審査要素としてポイントになってきます。先ほどご説明したように、もし返済できなくなった際に、住宅を売却して、残りのローンを返済できるかどうかが問われるため、立地、築年数、といった物件の価値をチェックされることになるのです。仮に2,000万円の中古物件を購入する場合、2,000万円のローンを組もうとしても、担保価値が500万円だった場合は、審査の結果、満額の融資が受けられない場合もあるわけです。このような理由で、新築物件より、中古物件のほうが審査に時間がかかることがあります。
特に、昭和56年以前に建てられた物件の場合は要注意です。建築基準法の改正が行われた昭和56年以前の物件は、現在の建築基準法に適合していないケースがあるのが実際のところです。住宅ローン審査の規約には、建築基準法などの法令を準拠していることが求められますので、不動産会社等に確認しておく必要があります。
フルローンで住宅を購入するか、頭金を用意してローンを組むか
ここまでは頭金なしで住宅ローンを組む場合を想定してきました。しかし、その場合、担保価値が十分でないと融資希望額に届かない場合があるということがわかりました。では、自己資金を用意して、不足部分をローンで賄うという考え方にすればどうでしょうか?
例えば、2,000万円の中古物件(土地代、諸費用込み)を購入する場合、融資額が1,500万円であれば、自己資金で500万円入れれば購入することができる可能性があります。いずれにしても、諸費用のうち、住宅ローンに含めることができない費用もありますし、自己資金を多めに用意できれば、住宅購入時に後々のローン返済額の負担を軽くすることができます。
リフォーム済みの物件を購入するか、中古物件を購入してリフォームするか
中古物件の場合、何らかのリフォーム後に売りに出されることも多くあります。また、中古物件を購入してリフォーム、リノベーションをしたいと考える方も多いでしょう。その費用は、数十万円から数百万円ほどかかることが多いため、住宅ローンとセットでローンを組みたいですよね。
別途リフォームローンを組む場合は、金利が高めになりますので、金融機関の商品や取り扱う不動産会社・住宅会社の提携住宅ローンによっては、リフォーム費用込みでローンが組めるプランがある場合もありますので、一度相談してみるとよいでしょう。
住宅ローン審査について
住宅ローン審査は、担保となる物件の価値と、借りる人の信用度で判断します。まず事前審査があり、約1週間で結果がわかります。その後、住宅ローンの本審査に必要な資料を提出し、正式に審査を申し込んで、本審査を受けます。本審査は約2週間で結果がわかります。その後、審査が通ったら正式に住宅ローンを契約することになります。
事前審査とは
住宅ローンの事前審査は、購入予定の物件情報、融資希望額、土地や建物の見積もり金額、年収・職業・勤務先などの情報が必要です。最近はインターネットで事前審査が受けられるようになってきましたが、源泉徴収票などの証明書類などの提出が必要になります。源泉徴収票は紛失しても再発行できますので早めに再発行手続きをしておきましょう。金融機関によって必要書類が異なる場合がありますので確認が必要です。
事前審査の必要書類
・本人確認資料(免許証やパスポートなど)
・健康保険証
・直近数年分の源泉徴収票(会社員)
・直近数年分の確定申告書(個人事業主)
・直近数年分の会社の決算書(会社経営者)
・直近の返済明細表(借り入れがある場合)
・認印
本審査
住宅ローンの本審査は、事前審査通過後に、改めて申し込みをして詳細な項目について審査を受けます。売買・工事請負契約書、納税証明書など、金融機関によって必要となる資料が異なります。本審査に通過すれば、住宅ローン契約を締結することができます。
本審査の必要書類
・実印
・印鑑証明書
・住民票
・住民税決定通知書または課税証明書(会社員)
・直近数年分の納税証明書(個人事業主)など
住民票や印鑑証明書などは直近3カ月以内等の発行日の制限がある場合がありますので、早めに取得する際には注意が必要です。
審査項目のポイント
住宅ローンの審査を受ける場合は、以下のポイントをおさえておきましょう。
- 年齢(借入時の年齢、完済時の年齢)
完済時の年齢が80歳前後までと定められているケースが多くあります。返済期間が定年後の場合、返済後の返済可能かどうかも審査されます。
- 健康
病歴や現在の健康状態などが確認されます。多くの場合、団体信用生命保険(団信)への加入が条件になるため、団信加入時の健康状態の申告が必要です。
- 担保評価
物件の土地と建物の価値です。担保価値によって、融資限度額が変わる場合もあるため中古物件の場合は特に留意が必要です。
- 勤続年数
安定的に返済できるかどうかの判断に関わってきます。短期間で転職を繰り返している場合は、審査が厳しくなることがあります。
- 年収
直近の年収を基準に、返済可能額、融資可能額が判断されます。
- 返済比率
返済比率は、金融機関ごとに基準が異なりますが、平均で20~35%が多くなっています。返済比率を超えない範囲であれば、頭金なしのフルローンが可能となります。
- 債務状況
過去にローンの延滞などを繰り返している場合はローンを組めないことが多くなります。個人信用情報機関に問い合わせれば確認できますので、不安があれば事前に問い合わせてみるとよいでしょう。
事前審査で通っても、本審査が通らないこともあります。もしくは減額になることもあります。事前審査後にクレジットカードの滞納をしたり、他のローンを申し込んだりすると申す込み時の状況が変わってきますので、条件が変更になる場合があるので注意しましょう。なお、他に自動車ローンなど返済中のローンがある場合は、それらの返済状況も踏まえて審査されますので、無理のない範囲でローンを組むことが重要です。
まとめ
住宅ローンは、新築と中古物件では、審査のポイントが異なります。中古では物件の担保価値の金額などの状況によっては融資希望額が購入額の満額の借り入れができない場合もあります。中古物件の担保価値は、その地域での立地、築年数などによっても異なります。リフォーム、リノベーション費用も住宅ローン費用に含めることができる場合もあります。中古物件を購入してリフォーム・リノベーションをして、資産価値の高い住宅にするためには、地域で数多くのリフォームやリノベーションを手掛ける工務店に住宅ローンの件も含めて相談するとよいでしょう。
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