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「片づく間取り」vs「片付かない間取り」

2009年08月10日

「収納が多い家」は「住みやすい家」の代名詞ではない

一般的に、「収納が多い」は、その家に対しての誉め言葉として使われますが、

必ずしもそうとは限りません。

というのも、本当に余裕のある広い家なら問題は無いですが、

実際には限られた予算の中で限られた面積で、多くの家づくりは行われています。

そんな中でリビングや水廻り、それから個々の居室が圧迫されるほどの収納を計画しても、

決して快適な家とは言えません。

 

「物を収納する」ために家を建てるわけでわなく、「快適に住まう」ために家を建てるのであって、

収納も全体のバランスの中で計画されるべきだと思います。

 

「どこにあるか?」が大切

 そして全体量の「多い」「少ない」だけでなく収納は「どこにあるか?」がとても重要です。

 例えば1軒の家に6畳分の収納があるとします。

「3畳の納戸が1階と2階に1つずつある間取り」と

「1畳の収納が6箇所に家中に分散している間取り」とでは、

収納の全体量こそ一緒ですが、使い勝手の良し悪しに大きな違いが生まれるのは

火を見るよりも明らかです。

 

買い物から帰ってくる

洋服を着替える

掃除をする

アイロンをかける

 

そういった行為を行う場所の近くに収納が用意されていないとやはり片付きません。

「適材適所」の収納が大切です。

 

 収納は「見せる収納」「隠す収納」の2つに大きく分けることができます。

「見せる収納」とはキッチン用品、本、衣類・・・をお店のようにディスプレイする方法。

しかし、それぞれのもののサイズや、色、形などがバラバラゆえ、

それを検討しながら美しく「見せる」のはかなりの技術が必要です。

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 基本的には「隠す収納」が誰にでも使いやすいです。

そのため多くの収納には扉がついています。

扉には引き戸、開き戸、折れ戸などがありますが、

それぞれ特徴があります。

 

引き戸は、よくある押入が代表的です。

扉が動くスペースは必要としないので、廊下や狭い空間でも使い勝手は悪くありませんが、

半分は常に閉じていて、中身を見ることが出来ません。

 

開き戸は、扉が開いた時に内部全体を見渡すことが出来ますが、

扉が開くスペースをかなり必要とするので、狭い空間に設置することのは難しい場合もあります。

 

折れ戸は、引き戸の両面の利点を兼ね備えているので最も採用されています。

 

何を入れるかでサイズも変わる

 一般的な「押し入れ」は奥行きが約90センチです。

もともと布団を入れるための収納ですので、このサイズになっていますが、

逆に布団以外の物を入れるには奥行きが深すぎて使いづらいです。

奥に入れたものは出し入れが出来ないために、そのまま放置されることが多いです。

 

このように実際の面積とか要領の割に、収納できるものが少なかったり、

収納できても出し入れがしづらいという収納には、

その他に「階段下収納」や「天井裏収納」があげられます。

間取りを作る際に、収納の絶対面積ばかりに気を取られのではなく、

実際に「何」を「どのように」入れるか?そして実際に物を出したり、入れたり、

整理しているところをイメージして、本当に使いよいか?検証してみることが大切です。

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