第7章 「地盤の落とし穴」
2009年02月18日
前回は
「第6章 土地価格以外に諸経費が割高な土地と諸経費が割安な土地の落とし穴」
でしたね。
アイホームズの五十嵐 照勝です。 今回は「第7章 チェックポイント7 地盤の落とし穴」です。 ----------------------------------------------------- 早速始めましょう。 さて、これから家を新築される方にとって この章だけは、見落として欲しくない第7章です。 特に、購入する際はとても簡単なことですので注意してください。 今からもう3年前のことです。 私のお客様が『もう古くなって傾いているから』建替えたいとご相談がありました。 予算は解体工事・諸経費・税金, 全部含んで2300万円で仕上げて欲しいということで 話が進み、地盤の話になった時です。 通常は建物を壊す前に地盤の調査はしません。 何か嫌な予感がしたので、念の為、地盤の調査を最初に奨めました。 すると・・・地耐力が極端に弱く、 支持層もかなり深い、いわゆる底なし状態のところだったのです。 ----------------------------------- 地盤の改良工事だけでも軽く320万円の見積になり、 摩擦杭と云うものを地面に埋め込んでも 地震の際、液状化現象が生じる危険があり、保証ができないのです。 その時、私はこの新築工事の見直しを薦めました。 保証が出来ないことと、必要以上に基礎補強・地盤改良工事に お金が膨大にかかることにより、その方の資金繰りを心配したのです。 仕事が欲しいのは山々ですが、事実を隠したまま工事を行い、 地震が来てからローン以上の損害が出るようでは、 この方のその後の人生計画で問題になることは明らかだからです。 事実を隠しながら工事をする業者も存在します。 また、事実さえ確認しなくて、悪気無く流されて工事する業者もいるでしょう。 お手持ちの土地でさえこんなことがあるのですから、新規で購入の際は、 くれぐれも注意してくださいね。 //////////////////////////////////////////////////////// この第7章でのチェックポイントでは 地盤を見極める時にはどうすれば良いか?を学んでいきましょう。 ----------------------------------------------------------- ① 生活道路のアスファルトが割れていないか? ② マンホールのフタが飛び出ていないか? ③ 道路を何回も舗装していないか? ④ 近隣の外構ブロック塀や外壁が割れていないか? ⑤ もともとの土地は田んぼや沼地じゃなかったか? ⑥ 水路の流れが正常に流れているか?(これとても重要)です。 ⑦ 盛土を極端にしないと駄目な土地か? ⑧ 地下水の水位が高いところか? ⑨ 近所の方に極端にシロアリが多くないか?聞くことです。 綺麗な土地だからと表面だけ見て土地購入を決めては行けません。 見えないところで・・・問題は起きるのですから・・・ 次は土地の造成業者がやることがあるショックなケースを紹介します。 ----------------------------------------------------------------- 業界言葉: 「天地変えしちゃえば、いいだろう」 ///////////////////////////////////////////// この言葉は良く覚えて置いてくださいね。これは、表面の腐葉土やゴミを ひっくり返して、地面の下に隠し表面を綺麗にしてしまう方法です。 案外これらの例は多く問題になります。 特に木が沢山あった土地や 工場跡地では、穴を掘って埋めてしまう業者もあるくらいです。 私は、この天地変え物件に3件ほどあたりました。 今でも、覚えていますが、基礎工事をしようとしたら、地面の中にコンクリートや木の頭が見えるのです。 "なんだろう"と云うことで機械でひっぱったらコンクリートの瓦礫と3メートル位の木が出てきたのです。 しかも、その周りを掘ったらゴミだらけで2t車3台分のゴミの量でした。 その方は土地を売った業者を訴えたのですが、なかなか話が進みません。 しかたなくゴミを取り省いた後、地盤改良材を混ぜながら当時85万円のお金を お客さまご負担して工事を進めた例です。 悪質建築業者だと地盤の中にあるゴミを知りながら建築してしまった例もあります。 地盤の下に木のゴミの山があるので、何度も何度もシロアリ消毒をしても すぐ発生してしまうのです。 そこを買われた方が『ここはシロアリが多くて』と会話しているのを聞くと 気の毒に思います。 土地の価格が付近相場より安い場合は、特に注意してください。 先ほどの9のチェックポイントでチェックしてくださいね。 *もし、土地買う前に、地盤調査表があれば良いのですが どうしても不安だな~と言う場合は、細い鉄の棒で土地を刺してみるのも いい判断かもしれません。 地主さんは嫌がりますが・・ *どうしても気に入っている土地が軟弱でも、補強工事が行なえるところでは、 土地建物に地盤保証が付きますから、あまり神経質にならないでくださいね。 今回は、地盤の落とし穴でした。次回はいよいよ最終回です。 第8章『あることが起きると臭くてたまらない落とし穴』はこちら ///////////////////////////////////////////////////////////// それでは、また後日。いつもありがとうございます。 五十嵐 照勝
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