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どんな家で地震を迎えますか?

2019年11月06日

■熊本地震で壊れた家

こんにちは、中原です。

どんなに科学が進んでも、本当に地震のことが

わかっているわけではありません。

また、建物の強さについてもわからないことが残されています。

築年数だけで、本当に家の強さが決まっているわけでもありません。

 

では「今住んでいる家」は、地震にあったら

大丈夫なのでしょうか?

また「これから建てる家」は、どのような対策をすれば

良いのでしょうか?

 

これを確認するのには、実際に起きた地震での

被害状況を調べてみるのがいちばんです。

2016年4月14日、16日に発生した熊本地震では、

多くの家が被災しました。

 

震源地である益城町(ましきまち)で調査された

約1700棟の被害情報も、発表されています。

基本的に耐震性がないとされる1981年5月以前の建物では、

半数が倒壊もしくは大破しました。

 

これらの家に住んでいた方は、

自分の家には戻れない避難生活が続いています。

半数とは、やはり大きな数です。

ただ半数は倒壊しなかったと考えると、

単に築年数だけでは測れません。

 

さらに難しくするのは、2000年以降の現行法による

耐震基準上で建てられた築18年以下の住宅も、

倒壊や大破していることです。

 

それもたまたまの1棟ではありません。

複数の家が被災しています。

しかも、単なる手抜き工事のような原因ではなく、

制度的な問題を含んでいます。

 

例えば、すべての住宅がしっかり

構造計算されているわけではありません。

申請などの手続きが煩雑(はんざつ)になるので、

定められた仕様で建てれば良いのが現状です。

 

また、中には法律で定められた手法で

強度が確認された建物が壊れた事例もあります。

原因の究明はこれからです。

 

では、耐震の基準としてはちょうど中間にあたる、

築19年から築38年の住宅の被災状況はどうだったのでしょうか。

 

じつは20%が倒壊や大破しています。

それでも、これによって、新しい基準が地震被害を

少なくするのに有効であることが分かります。

 

熊本地震のように、震度7の地震が1日あけて起きるという

「想定外」の地震であったといえば終わってしまいます。

前にもご紹介した通りに、西暦2000年以降に

世界中で地震が多発しています。

そして、定例句のように想定外と言われているようにも思えます。

 

 

■今住んでいる家、これから建てる家

半数、20%、最新の耐震基準でも、

大破倒壊して被災する可能性があるという事実は、

変えることができません。

そしてこれからも地震が起きるであろうことも

変えることはできません。

そして日本に住む以上は、どの地域にもその可能性はあります。

 

問題になるのは、その瞬間をどこで迎え、

その後の暮らしがどうなるかということです。

とりあえず、倒壊や大破を避ければ、

命は守ることはできるでしょう。

 

1日の半分以上を過ごす住宅の強度を

考えておくことは、最も大事なことです。

さらには被災後に家に戻ることができれば、

避難生活も短くてすみます。

いつ頃戻ることができるのかわからないことが、

いちばん辛いことだと語る被災者の声が身にしみます。

 

これから建てる家なら、耐震対策はできます。

しかし今、住んでいる家で地震を迎える人の方が、

圧倒的に多いはずです。

 

そして命が救われた後に、どれだけ被害を最小限に

抑えることができるのかも大事なことです。

倒壊や大破しない強さは住宅の問題ですが、

被害を抑えるための工夫は、生活の中にこそあります。

 

このブログでは、こうした生活の中にある地震対策から、

お話を進めていきたいと思います。

そして、今住んでいる家、そしてこれから建てる家に参考となる、

地震対策の3つのポイントである、

耐震・制震・免震について知っていただければと思います。

 

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