住宅コストのカラクリ
皆さんこんにちは。 五十嵐です。
最近、ローコスト系の住宅メーカーやフランチャイズの会社でプランと見積りをしてもらい、
私のところに相談に来られる方が続きました。
内容を見ると、どれも「同じテクニック」を使っています。
それは、チラシなどで銘打っている「坪単価50ウン万円」というのが、
「建築本体工事」だというものです。
もう、その手法で家を建ててしまった人は、
ここから先は読まない方がいいでしょう。
絶対後悔してしまいますから・・・・・・
これからの方は、安心して続きをお読みください。
ローコスト住宅のカラクリが分かるでしょう。
◎建築本体工事って?
住宅の価格は、よく「坪単価」で判断されます。
不思議だと思いませんか・・・・・・?
ローコスト系の住宅会社の見積書を見ると、
「施工面積」×「坪単価」で、建築本体工事の価格が記載されています。
建物の形状やどんな素材を使っているのか、全く関係なしです。
車だって、パソコンだって「大きさ」と「価格」が比例するでしょうか?
「大きさ」よりも、性能や使われている素材によって、金額が決まります。
それが「高いか」「安いか」は購入者が比較検討します。
判断基準は、「性能」と「価格」です。
そして、よりよい使い勝手を求めて、オプションも検討します。
大きさが価格に影響するのは、液晶TVなどぐらいではないでしょうか?
車であれば、車体本体の価格に陸運局への登録の費用や、
納車時の点検整備、自賠責保険、などの諸費費用も必要でしょう。
しかし、少なくとも「本体の価格」で完成品としての機能は果たします。
実際に動かすためには、法的な手続きやガソリンなどは必要ですが・・・・・・
少なくとも、「タイヤはついていませんから、こちらでご購入してください」と、
市価よりも高い「純正タイヤ」を別に払わせるところはないでしょう。
ところが、住宅業界は実は結構こんなことをしているのです。
『建築本体工事』というのは、通常、基礎から上の建物全体の価格です。
基礎、構造体、外壁やサッシ、屋根材から内部の設備機器まで入ります。
給排水の配管は、建物の外周から1メートル程度をみています。
(※あくまで「通例」であって、会社によって異なります。)
ですから、敷地を通って上下水道の本管までの接続には別の工事が必要です。
(※下水道のない地区では、合併浄化槽などが別途必要です。)
もし、地盤が悪ければ『抗打ち』などの地盤改良工事も発生するでしょう。
このように、建物の立地条件により変わる工事を
『別途工事』または『附帯工事』と呼んでいるのです。
本来は、この『建築本体工事』と『別途工事』で
最低限の生活が可能な住宅ができあがるはずです。
あとは、外構工事や照明、カーテンなどを購入し、
工事代金を払い込み、登録手続や税金などを納めれば「わが家」となります。
私が見積を見たローコスト系フランチャイズの1社は、
「ベタ基礎仕様」がオプションとなり40万円の追加金額です。
そして、真四角ではなく凹凸があれば「出隅・入隅」で金額が追加します。
少しでも基準と違う仕様をお願いすると、
すべて『オプション』として、数万円ずつ追加されています。
変更して「減額」されるものはなく「増額」されるものばかりです。
◎負担は『総額』!
私も以前は「オプション工事」で受注金額を膨らませているのだろう
というくらいの認識をローコスト系住宅会社に持っていました。
そこに「施工床面積」など、坪単価を見かけ安くするテクニックを使い、
「実際の坪数」×「坪単価」ではじかれる工事金額より
200万~300万円程度増額するのは、容易なことです。
例えば、「坪単価50万円」で35坪の家を建てると、
つまり、消費税を含めたおよそ 1750万円÷35坪=50万円くらいが、
ローコスト住宅の実態かと思っていたのです。
しかし、私の予想は大きく違っていました。
さらに「必要経費」や「諸経費」という項目があるのです。
必要経費とは設計料や申請、検査などに掛かる費用と仮設トイレなど。
諸経費は明細もありません。
(通常、管理監督・事務所経費です。)
これで、300万から400万円工事費に上乗せです。
しかももっとビックリするようなテクニックがあったのです・・・・・・。
通常、坪単価で計算される「床面積」は「延床面積」といわれるものです。
柱や壁の中心で結ばれた建物の室内面積の合計数字です。
「施工床のテクニック」とは、戸外の玄関ポーチやバルコニーなど、
実際に工事をする面積を計上するのです。
吹き抜けを含む会社もあります。
こうすると、簡単に5坪程度が増え、
坪50万円であれば250万円の工事費アップになってしまいます。
坪単価のカラクリはまだまだありますので要注意!
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