防火地域・準防火地域の違いと建築制限|調べ方や建ぺい率、他地域にまたがる場合について
「家を建てたい土地が防火地域・準防火地域に指定されているが、どんな制限があるか知りたい」
「木造住宅を建てたいが、気に入ったエリアが防火地域・準防火地域に指定されているため、土地探しに迷っている」
そのようにお考えの方へ、防火地域・準防火地域の違いや調べ方を詳しく解説します。
建築制限や建ぺい率の規制、他地域にまたがる場合の考え方も紹介しますので、都心に家を建てたい方は、ぜひ参考にしてください。
■ 防火地域・準防火地域で住宅を建てる際は、耐火建築物もしくは準耐火建築物でなければいけない可能性があります。
■ 木造でも、条件がそろえば耐火建築物・準耐火建築物にできます。
■ アイホームズは、昭和43年創業以来、都内を中心に数多くの高性能な木造の耐火建築物・準耐火建築物を手掛けてきました。
目次
防火地域・準防火地域の違いとは?
防火地域とは、都市計画法(第9条21項)において火災による危険性や被害を防ぐために定められた地域を指します。
以下のような場所が指定されます。
- 建物が密集しているエリア
- 駅など人の往来があり、人口密度が高いエリア
- 公共施設や金融機関、商業施設など生活に欠かせない場所に近いエリア
- 幹線道路沿いなど、消防車や救急車の通行において重要なエリア
東京23区においては、すべての住宅地が「防火地域」もしくは「準防火地域」に指定されています。
防火地域と準防火地域の違いは、“建築制限の内容”です。
それぞれの地域によって、建てられる住宅の高さや構造、仕様が異なります。
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防火地域、準防火地域とは?家を建てる時の制限や費用の違い、費用を抑える方法は?
防火地域・準防火地域以外の住宅地は「法22条区域」
防火地域・準防火地域と合わせて土地探しのキーワードとなるのが「建築基準法第22条指定区域」、通称 “法22条区域”です。
防火地域・準防火地域以外の木造住宅が密集している地域が該当します。
防火地域・準防火地域のような建築制限はありませんが、屋根を不燃材にして、延焼防止のための措置を取ることが建築基準法(第22条「建築物の敷地、構造及び建築設備」)によって義務付けられています。
建築基準法上の制限と「耐火建築物・準耐火建築物」の関係
防火地域・準防火地域に住宅を建てる際には、建築基準法で定められた「建築制限」を守らなくてはいけません。
ここで、関連するキーワードが、「耐火建築物」と「準耐火建築物」です。
【耐火建築物】
該当する住宅やその近隣で火災が発生しても、最低1時間倒壊・延焼しない性能を持ち合わせていなくていけません。
主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段)が耐火性能を満たしており、延焼の恐れのある開口部(窓・ドア)に防火戸や防火サッシを採用することが条件です。
鉄筋コンクリート造(RC造)や、鉄骨造(S造)、鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)などが主ですが、最近は認定をうけた木質建材や工法を用いた耐火木造の住宅も増えています。
【準耐火建築物】
該当する住宅やその近隣住宅で火災が発生した場合、最長1時間倒壊・延焼しない性能を持ち合わせている建物が該当します。
主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段)が準耐火性能を満たしていなくてはいけません。
木造住宅の場合は、主要構造部を“耐火被覆”することで認定を受けられます。
防火地域の建築制限
- 3階建て以上の建物は、必ず「耐火建築物」にする
- 1〜2階建ての建物で延床面積が100㎡を超える場合は、「耐火建築物」にする
- 1〜2階建ての建物で延床面積が100㎡以下の場合は、「準耐火建築物」以上の性能にする
準防火地域の建築制限
- 延床面積が1500㎡を超える場合は「耐火建築物」にする
- 延床面積が500㎡〜1500㎡の建物で、4階建て以上の場合は、「耐火建築物」にする
- 延床面積が500㎡〜1500㎡の建物で、1〜3階建てまでの場合は、「準耐火建築物」以上の性能にする
- 延床面積が500㎡未満で1〜2階の木造建築物は、延焼の可能性がある軒裏や開口部に「防火措置」を備える
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防火地域・準防火地域は建ぺい率の規制が緩和されるって本当?
防火地域に住宅を建てる際、延床面積が100㎡を超える場合は「耐火建築物」にしなくてはいけませんが、規定対象外である100㎡以下でも耐火建築物にすると、建ぺい率が緩和されます。
さらに、2019年に建築基準法が改正され、準防火地域においても、定められた階数や延べ床面積以下で「耐火建築物」「準耐火建築物」を建てると、建ぺい率が10%緩和される規定が追加されました。(参考:国土交通省|建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)について)
建ぺい率の緩和を特例として認めることで、住宅密集地に現存する耐火性が低い古い住宅の建て替えを促すことが目的です。
【改正前】
防火地域内の耐火建築物のみ、建ぺい率を10%緩和
【改正後】
防火地域内の耐火建築物に加え、準防火地域内の耐火建築物、準耐火建築物も建ぺい率を10%緩和
用途地域ごとに定められていた建ぺい率の上限以上に床面積を確保できるため、東京23区などの都心で狭小住宅を建てる場合は、防火・準防火建築物にすることは大きなメリットと言えます。
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防火地域・準防火地域の調べ方は?
マイホームを建てる敷地を選ぶ際、防火地域や準防火地域に該当するかを、簡単に調べられます。
自治体ごとに該当エリアが色付けされた「都市計画図」が公開されているため、区役所などを訪れると無料で確認できます。
また、インターネット上で都市計画図を閲覧できる自治体も増えているため、ご自宅でも確認可能です。(参考例:すみだまちづくりマップ)
都市計画図は、以下の地域で色分けされています。
- 防火地域
- 準防火地域
- 新たな防火規制区域
- 特定防災画街区整備地区(密集市街地で災害拡大防止を目的として避難道路・公園を設ける地区)
家を建てたい敷地がどの地域に該当するのか一目で分かりますので、土地探しの際にはぜひ「都市計画図」をチェックしてみてください。
「新防火地域」も要チェック
東京23区で家を建てたい方は、2021年に制定された「新たな防火規制区域」、通称“新防火地域”もチェックしておきましょう。
東京23区内には、古い木造住宅が密集している地域が多く残っており、防火地域や準防火地域だけでは対応しきれないことが制定の背景にあります。
木造密集地における災害時の安全性を確保するために、住宅建て替え時の耐火性能強化を促進するのが目的です。
以下のような土地が、主に新防火地域として指定を受けます。
- 地震に関する地域危険度測定調査における建物倒壊危険度の評価がランク4以上の地域
- 地震に関する地域危険度測定調査における火災危険度の評価がランク4以上の地域
- 老朽木造棟数が1ヘクタールに対して30棟以上ある地域
- 避難場所や避難道路、その他周辺の施設において火災リスクを抑制すべき地域
(参考:東京都都市整備局ホームページ|「第7条の3第1項に規定する区域指定に関する要綱」)
なお、指定を受けている地域は、東京都都市整備局ホームページ(「新たな防火規制の指定区域図」)にて確認できます。
新防火地域の建築規制は、「防火地域より緩く、準防火地域より厳しい」ものです。
新防火地域では、50㎡以下の平屋を除いて、全ての建物を耐火建築物・準耐火建築物にしなくてはいけません。
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〈防火地域・準防火地域に関する気になるQ&A〉木造住宅は建てられる?地域をまたがる場合は?
防火地域・準防火地域について知ると、ふとした疑問が湧くはずです。
ここでは、多くの方が知りたいQ&Aにお答えします。
Q.「防火地域・準防火地域でも木造住宅は建てられる?」
防火地域・準防火地域にも木造住宅は建てられます。
ただし、下記のうちどれかの条件を満たしていなくてはいけません。
- 二階建て以下にすること
- 延べ床面積が100㎡以下であること
- 国土交通大臣の認定を受けた不燃材料・準不燃材料・難燃材料を組み合わせ、耐火構造もしくは準耐火構造にすること
防火地域・準防火地域で木造住宅を建てるメリットは、以下の通りです。
- 鉄筋コンクリート造や鉄骨造より建設コストを抑えられる
- 鉄筋コンクリート造や鉄骨造より工期を短縮できる
- 大きな重機が必要ないため、狭小地でも建てられる
- 火災時でも木材は表面が炭化して中心まで燃え尽きないため、一定時間全倒壊しない
- リスクを抑えられる
- 木造でも火災保険が安くなる
木造で耐火建築物・準耐火建築物として認められるためには、特別な設計知識と施工技術が必要です。
そのため、設計施工できる建設会社は限られます。
防火地域・準防火地域で木造住宅を建てたい方は、実績が豊富な建設会社へ相談しましょう。
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Q.「敷地が防火地域・準防火地域にまたがっている場合はどうなる?」
敷地が防火地域・準防火地域・新防火地域・法22条区域にまたがっている場合は、制限の厳しい方が建物全体に適用されます。
ただし、例外として緩い制限がかかるケースもあるため、詳しくは設計士に確認してください。
例外となるのは、建物内に防火壁を設ける場合と、一つの敷地に分棟で複数の住宅を建てる場合です。
- 制限の緩い地域に該当する敷地側に防火壁を設けると、その防火壁から先は緩い制限が適用される
- 一つの敷地に分棟でいくつかの建物を建てる場合は、それぞれの建物を建てる場所の制限が適用される
(参考:e-Govポータル|建築基準法 第65条「建築物が防火地域又は準防火地域の内外にわたる場合の措置」)
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まとめ
東京23区で家を建てたい場合、避けられないのが防火地域・準防火地域の建築制限です。
これまでは鉄筋コンクリート造や鉄骨造にすることが主な対策でしたが、最近は耐火・準耐火性能を持つ木造住宅の建設事例が増えています。
ただし、どこの建設会社でも設計・建築できる訳ではありません。
確かな実績のある会社へ相談しましょう。
アイホームズでは、“低コスト+高性能”な耐火・準耐火木造住宅や、重量鉄骨の住宅を数多くてかけた実績があります。
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「ローコスト+高性能」な住宅建設を実現できる“アイホームズ”
ローコスト住宅の設計・施工は、一般的な注文住宅とは異なるコツが必要です。
また、東京23区内などの都心部では、防火に関する法規制なども抑えなくてはいけません。
私たち“アイホームズ”は、昭和43年創業時から、『孫の代まで安心して暮らせる家づくり』を信念として『安全で強い家』にこだわりを持った地域密着⼯務店です。
施工エリアは墨田区、江東区、台東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区、北区(東側)、 文京区、千代田区、中央区、千葉県市川市、松戸市(南部)、埼玉県八潮市と、何かあったときにすぐ駆けつけられるエリアに限らせていただいております。
狭小地でも、耐震性・断熱性・気密性を備えつつ低コストな住宅を数多く手がけてきました。
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「丈夫な木造住宅を建てたい」「狭小地や変形地でも快適な住まいを建てたい」とお考えの方も、ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社 アイホームズ
FAX:03-3613-6149
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