耐震リフォームとリノベーションのメリット・デメリットと事例
耐震リフォーム、リノベーションという言葉は聞いたことがあるけど、リフォームとどう違うの?という質問をいただくことがあります。築数十年の戸建てにお住いの方にとっては、今後、発生するとされる大地震に備えるための耐震リフォームが必要不可欠です。そこで今回は、地震に強い家を新築するのが難しいという方、建て替えると家が小さくなってしまうという方で、耐震リフォームやリノベーションを検討されている方のために、耐震リフォーム、リノベーションとリフォームの違い、メリット・デメリット、耐震性を修繕前、修繕後で科学的に診断する方法などについても解説します。
目次
耐震リフォームとノベーションの違いは?
耐震リフォームとリノベーションの定義
リフォームとリノベーションという言葉には明確な定義はありませんが、一般社団法人リノベーション協議会では、
リフォームは、原状回復のための修繕、不具合個所の部分的な対処
リノベーションは、機能・価値の再生のための改修、家全体に対処した包括的な改修
と定義しています。耐震リフォームは、耐震性能を高めるリフォームをすることですので、原状回復レベルの耐震性の補強をすることになります。
つまり、耐震リフォームは古くなった部分を「元に戻す」という意味の修繕です。たとえば、古くなった内装や外装を元の住宅のように張り替える、老朽化した構造や水まわりの設備を新しくするという家の一部を修繕するという解釈です。
一方、リノベーションは、古くなった家を「作り変える」という改修です。たとえば、壁を抜き広いリビングに間取りを一新する、設備や配管を暮らしやすいようにゼロから構造的に変更するといった、住まいのコンセプト自体を変える大規模リフォームといった考え方です。このことによって、建物は古くても、暮らしやすいように家を作り変えることで、新しい物件としての価値が生み出すことができます。
耐震リフォームとリノベーションを組み合わせることで、耐震性能も高め、住宅の新たな価値を生みだすことができます。
築30年の戸建てを耐震リフォームする場合
たとえば、築30年を超える戸建ては、現在の建築基準法で定められた耐震基準を満たしていない場合があります。こうした場合、免震住宅の家に建て替えるのが難しいのであれば、早急に古い住宅に十分な耐震補強、耐震リフォームをしなければなりません。首都直下地震に備えるためにも、最低でも耐震等級1以上の耐震補強、制震工事を施すことが重要となります。
耐震・制震工事は、壁を剥がして柱と梁の間に制震ダンパーのような機器を設置するのが一般的です。また、戸建ての場合、柱や梁の補強だけでなく、「基礎」もしっかり補強しておくことが重要です。
そのため、一般的なリフォームではなく、今後、大地震が来ても被害を最小限に抑えるような耐震補強を行い、また、耐震補強した後に剥がした壁を作り直す際には、最新の断熱材をしっかり壁の中に埋め込んで断熱性能を高めたり、必要に応じて間取りや壁の位置を変更するなどして、より快適に暮らせるような耐震リフォーム、リノベーションの考え方が重要になるのです。
耐震リフォームとリノベーションのメリットとデメリット
古くなった家を元に戻すのがリフォーム、家全体の構造や間取りなどコンセプトも一新するのがリノベーションです。古い家でも地震に強い家に作り変えるには、耐震リフォームもしくはリノベーションという選択肢があります。
では、築20年以上の物件を事例に、耐震リフォームをして本格的に耐震補強をする場合と、一般のリフォーム程度で耐震補強をする場合のメリットとデメリットを整理してみましょう。
耐震リフォームのメリット
〇家全体の耐震強度、劣化を改善することができる
一般的に耐震リフォームでは行わない、戸建ての基礎から、壁の内部の構造や配管などの設備の劣化を想定したうえで、家の基礎から柱、梁、壁など、家全体をまるごと耐震補強をすることができます。
〇断熱性も高くなる
家を基礎と柱だけにして工事をするので、最新の断熱材で床、壁、天井にも入れ替えることができますので、断熱性能が格段に高くなります。
〇自由な間取りなどの変更ができる
間取りや水回りの位置や設備を変更したり、暮らしやすさを優先した改修ができます。
〇資産価値が高まる
日本では築20年で建物の価値は大きく下がります。耐震リフォームをすることで、価値を高めることができます。
〇助成金も使える
国や自治体の耐震助成金最大280万円の制度を使うことができます。建て替えよりも安価に耐震工事ができるのがメリットです。
耐震リフォームのデメリット
▲建て替えよりは安価に済むが、一般的なリフォームよりは改修費用が高くなる
耐震リフォームは家を一度、建物を支える基礎、構造材(柱、梁など)だけにして耐震補強、間取り、内装を作り変えるため、リフォームより改修工事範囲が広くなりますので費用が高めになりますが、建て替えるよりは安価に耐震性能の高い住宅にすることができます。
▲工事期間が長くなる
耐震リフォームの場合、解体工事も含めると3か月~4か月程度が目安となります。この間の仮住まいを確保する必要があります。
一般的なリフォームのメリット
〇工事費を抑えられる
部分的な改修、補強になるため、工事費は比較的安価になります。
〇工期が短い
部分的な改修にたるため、工期が短くなります。物件にもよりますが、2週間から数週間程度が目安です。
一般的なリフォームのデメリット
▲家全体の耐震強度、劣化を改善することはできない
部分的・表面的な改修のため、耐震補強を部分的にしかできませんので、家全体の耐震強度や構造や設備の劣化の状況を正確に把握することができません。
▲間取り変更などは対応できない
部分的・表面的な改修なので間取りの変更など壁の位置を変えるなど生活動線の変更などまではできません。
耐震リフォームをするなら耐震・断熱リノベーションがおすすめ(事例紹介)
老朽化した住宅をリフォームするなら、耐震リフォームがおススメです。耐震リフォームのなかでも、断熱性能も高め、古い間取りや内装を修繕するのみならず、住みやすいようにリノベーションする考え方「耐震・断熱リノベーション」がおススメです。そこで今回は、実際の木造住宅の耐震・断熱リノベーションの事例をご紹介します。ビフォー・アフターも紹介しますのでぜひ参考にしてください。
【事例】築60年の木造二階建て住宅の耐震・断熱リノベーション
耐震リフォームのビフォー(施工前)
耐震リフォームのアフター(施工後)
耐震・断熱リノベーションとは
耐震・断熱リノベーションをすると、「制震ダンパー」を柱と梁の間に設置したり、基礎を布基礎からベタ基礎に全面的に改修することで地震の揺れを半減させることができます。大地震に不安を抱えて相談される方、建て替えが資金面で難しい方、建て替えると今の家が小さくなってしまう方、などは耐震・断熱リノベーションをお勧めします。
耐震・断熱リノベーション工事の内容
一般的には、壁だけを補強して、基礎は補修程度であることが多いのが実際です。しかし、現状の基礎が布基礎の場合、耐震性が低いため、すべてベタ基礎に改修する必要があります。場合によっては、家を持ち上げてでも全面的に基礎を改修する場合もあります。
壁や床を剥がし、基礎の現状、壁の中の状態を確認して、正確な診断を行った上で、補修工事を行い、制振装置を取り付けて、地震の揺れから家を守ります。そのため、耐震・断熱リノベーションには、最新の診断技術と、その診断結果に基づく最適な耐震補強を実現する棟梁レベルの大工さんの高い技術と数多くのリフォーム・リノベーションの経験が必要とされます。
耐震設計と診断手法
耐震設計では、大きく分けて3つの地震力に対して構造的な対策をとらなくてはなりません。
横揺れ(建物に対して平行にかかる力)
縦揺れ(建物に対して垂直にかかる力)
ねじれ(建物に対してねじれてかかる力)
また、建物に対してかかる地震力以外にも地盤も大切な要素です。アイホームズ「まるで新築さん」は、地震の揺れ以外の日常的な地盤の揺れについても、建物の耐震設計をしっかりと行い、早稲田式耐震診断法による建物の耐震性能を確認してからお引渡ししています。
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木造住宅の耐震診断~早稲田式動的耐震性能診断とは?
耐震リフォームの耐震工法と制振装置
- 制震装置はSSダンパーを使用しています。
SSダンパーは自動車などの輸送機に欠かすことのできないショックアブソーバーの技術を用いて開発した木造住宅用制振装置です。ショックアブソーバーは路面から受け続ける衝撃を吸収し車内に伝えない役割を果たしています。その技術を住宅に応用した結果、住宅の体感的な揺れを軽減させることに成功しました。クロスは破れにくく、家具も倒れにくい、生命の危険も軽減します。「制振装置」と「耐震工法」の組み合わせで、建築基準法の6倍の強度、約1/2の揺れに抑えることができるため、さらに安全性は向上します。
物の揺れを大幅に抑え倒壊から守る
SSダンパーは地震が起きた瞬間から揺れを制御し、建物の揺れが増幅することを防ぎます。
阪神淡路大震災クラスの地震が起きた際、建物の変形を半分程度に抑え倒壊のリスクを軽減します。
何度でも振動を吸収。繰り返す余震にも効果
耐震工法の住宅も、振動を続けることで徐々に接合部が歪みます。SSダンパーは振動エネルギーを何度でも制振性能を落とさずに吸収するため、建物の強度を維持し続けることが可能です。
メンテナンスフリーで半永久的効果
制振装置には、長期間放置された状態でも性能を維持し続けることが求められます。特殊加工を施すなど、各パーツの耐久性を向上。「20年保証」「温度保証マイナス20℃~80℃」を実現しました。
耐震性以外の耐震リフォームのメリット
このような最新技術と高い施工技術によって、以下のようなメリットがあります。
- 仮に、現状の建物が建ぺい率オーバーをしていたとしても、広さはそのまま、間取りも自由自在にすることができます。
- 新たな最新の断熱材を壁に埋め込みますので断熱性能も格段に向上します。老朽化した設備も一新することができますので、快適な暮らしが実現できます。
- 条件さえ合えば、国や区からの助成金も活用できるのが最大のメリットではないでしょうか。
まとめ
耐震リフォームとは、老朽化した木造住宅を耐震・断熱性能を高めるリフォームをすることで、安全安心な住宅にリフォームすることです。耐震リフォームを機にリノベーションを行い、住宅の価値を高めることもできます。耐震リフォームは、制震ダンパーなどを設置して、耐震補強をするのみならず、アイホームズでは、早稲田式耐震診断法で、修繕前、修繕後の住宅の耐震性を計測、評価することで、より安全安心な家づくりをすることができます。既存住宅をまるで新築のように生まれ変わらせることができる耐震リフォームは、東京で地震に強い家づくりを行うためには必要不可欠なリフォームです。東京で実績のある施工会社に相談して、まずはお住いの住宅の耐震性を診断することをお勧めします。、
東京で耐震リフォーム・リノベーションをするならアイホームズにご相談ください
アイホームズの耐震リフォーム、「まるで新築さん」は、老朽化した木造住宅を、耐震・断熱リノベーションによって、まるで新築のように生まれ変わらせることができます。
早稲田式耐震診断法で地盤と建物の特性に応じた耐震設計をします
アイホームズの耐震リフォーム、「まるで新築さん」は、全棟で「早稲田式耐震診断」を実施します。建物は常に地盤の微細な振動を受けて振動しています。早稲田式動的耐震性能診断はこの微細な地盤の振動と、それに起因する建物の振動を同時に計測しその振動データを解析処理する事で地震の際に建物がどう地震で振動をするかを推測し、耐震性能を測定します。耐震リフォームを行ったすべての建物に対してお引渡し前に早稲田式耐震診断を実施し、耐震診断書をお渡しして安心・安全を確認していただいています。
既存建物の基礎をベタ基礎にして基礎から耐震性を高めます
既存建物の多くは、構造材が地面の湿気にさらされている布基礎です。布基礎は、湿気やシロアリによる腐食が考えられます。「まるで新築さん」は、既存の布基礎をベタ基礎に改善し、表面的な美観だけでなく、長く住み続けるために、とことん強度を意識した耐震リフォームです。
制振装置+耐震構造でさらに耐震性能を高めます
制振装置もSSダンパーを使用しています。SSダンパーは自動車などの輸送機に欠かすことのできないショックアブソーバーの技術を用いて開発した木造住宅用制振装置です。クロスは破れにくく、家具も倒れにくい、生命の危険も軽減します。
さらに、制震装置と耐震構造の組み合わせで、建築基準法の約6倍の強度で、揺れを1/2に軽減します。東京で「地震に強い家に住みたい」というあなたの悩みを解決します。お気軽にアイホームズにご相談ください。
耐震リフォームまるで新築さんを解説している動画はこちらもご覧ください。
株式会社 アイホームズ
FAX:03-3613-6149
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