「急に相続が発生・・・だが相続人の一人が呆けている。こんな時どうする?」
問 : 遺産分割協議をしようとしていますが、相続人の一人が呆けているのです。
このような場合、どうしたらよいでしょうか?
答 : 呆けた相続人が意思能力のない(呆けた状態で)行った遺産分割協議は、
法律上無効になってしまいます。
遺産分割協議には自分のした・する行為が法律的にどんな意味と結果を
生じるのかを理解できる力が必要とされているのです。
さて、このように相続人さんの一部が呆けてしまっている場合は、
どうやって遺産分割協議をしたらいいのでしょう?
その場合は、意思能力の程度に応じて成年後見人や保佐人、補助人を選んで
協議に参加してもらうことで遺産分割協議を実施できます。
○ 成年後見 (物事の判断ができない状態)
○ 保佐 (物事の判断が多くの場合できない状態)
○ 補助 (物事の判断ができない場合がある状態)
流れとしては下記の①②のようになります。
① それぞれの段階に応じた申し立てを家庭裁判所にして、
成年後見人・保佐人・補助人を選任してもらいます。
② これらの人たちが呆けてしまった相続人さんの代わりに、
あるいは、相続人さんに同意する形で遺産分割をします。
最近では、社会が高齢化するのに伴い、相続も高齢化が進みつつあります。
100歳近い親の相続を70歳を超えた子がするケースなどでは、
相続する子の方に痴呆が入ったりすることもあり得ます。
遺産分割協議自体が難しいものですが、後見人さんなどの手続きなどが
加わると、さらに難しくなります。
このような事態を避けるのには良い方法があります。
遺言書を書くことです。
財産を残される方のプランが決まっているのなら、
あるいは、ご家族の中で同意が形成されているのならば、
遺言書であらかじめ財産の行き先を決めておけば、
残された人たちは煩わされることなく相続を終わらせることができます。
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