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位置指定道路~私道に面した土地は要注意?

2021年03月09日

土地を購入して後々困った!と思うことの1つが隣接する道路のこと。道幅の狭さなどの条件はもちろん、道路の規制や私道の権利などがからむと建てたい家が建てられない、ということも。そこで今回は、私道の一種「位置指定道路」について解説します。家を建てる前、土地探しの際にも知っておきたい知識です。でぜひ参考にしてくださいね。

 

位置指定道路とは、建築基準法で定められている私道

建築基準法では、建物を建てる際に幅4m以上の道路法による道路に幅2m以上道路に接していなければならないという接道義務があります。道路には、国、都道府県、市区町村が管理が管理する公道と、個人や民間団体が管理する私道があります。

しかし、公道に面していない土地が広い土地を分割した際に生じてしまうと、建物を建てる時に接道義務が果たせない場合があるため、敷地内に私道を通して行政に認定してもらう必要があります。

この行政が指定した私道が「位置指定道路」です。建築基準法でも42条1項5号道路として定められた道路ですので、隣接する土地に建物を建てることができます。

建築基準法では、

  1. 都市計画法等による開発許可をもって公に造られる道路(42条1項2号道路)ではなく、不動産業者など民間の私人が、土地を区画割りして家を建築することを目的として造られた道路
  2. 役所から”位置指定申請図の通りに現地を復元する”よう指導される道路
  3. 造られた当初は私道だが、その後役所に寄付をし、役所に引き継がれた後は公道になり、42条1項1号道路になる

というものです。

この際、コラム「角地緩和~建ぺい率10%アップでも隅切りに注意!」でもご紹介した「隅切り」をして道路にすることがあります。

 

位置指定道路の所有権は誰にある?

位置指定道路は土地所有者に所有権があります。所有者とは、地主さん個人、分譲業者、などがありますが、最近は共有名義がほとんどです。しかし、一部に地主さんの名義のままの場合、権利が個人にあるためトラブルが発生する場合があります。

 

私道ゆえのトラブルとは?

上下水道やガスの引き込み工事の際

公道のようにきれいに舗装された私道もありますが見た目では一見私道とわからない道路があります。私道の場合は、上下水道やガスなどを敷地に引き込む工事が必要な際は、所有者の承諾をとる必要があります。事前承諾があれば問題ないのですが、承諾をとらないで着工するのは困難です。私道の舗装工事などは自治体によっては補助がある場合もあるものの、基本的に所有者の同意が必要です。

 

通行料が必要になる場合

住み始めてから長年特に問題なく通行できたとしても、相続や譲渡などで私道の権利が移転し、通行が無償から有償に切り替わる場合もあります。これから長年にわたり無料で通行できるかどうか保証されるものではありません。

 

袋地通行権がある土地の場合

土地の所有者に通行拒否された場合に、所有地に出入りができなくなる袋地の場合は、公道に出入りできる最低限の権利は確保されています。これが袋地通行権です。ただし、この場合でも無料でない場合もあり、何らかの通行制限がある場合もあります。

 

私道のリスクを回避するには?

位置指定道路で、共有名義でないケースは、道路の通行や、ライフラインなどの掘削工事を行う場合の事前承諾を、購入時にとっておくのが安心です。新築やリフォーム工事の際に、上下水道、ガスなどの工事にあたって、道路を掘ったり、車両を止められるように両を止めることがあると思います。その際に、所有者に承諾を予め取得し、工事の承諾をとることが重要です。

許諾にあたっての費用、通行料金など毎年支払う必要が生じる場合もありますが、位置指定道路が共有名義になっていない場合は、承諾書を取得するのがおすすめです。

 

位置指定道路に接する土地の売買にあたって

位置指定道路に面する土地の場合は、不動産売買契約書の重要事項に、売主が買主に位置指定道路に面していること、所有権などを説明する義務があります。

土地の売買で位置指定道路と土地は同時に売買されるのが通常です。しかし、道路の所有権は移転されず土地のみの売買にねるケースがあります。私道の下に私設の水道管、ガス管などが埋設されている場合は収税費の負担があることもあるため埋設時期などは仲介業者に確認しておきましょう。

埋設時期がわかれば、補修時期もあたりがつきますが、もとより重要事項ですので説明があるはずです。できれば劣化具合、補修履歴の説明も補足してもらうと安心です。私設管の場合、売主から所有者への確認が必要ですので、委任状の取得が必要となり時間がかかるので、簡単ではありません。なるべくこれらのリスクは把握できるように手配をすることがおすすめです。

 

土地売買は事前調査が重要

土地売買時の接道確認は最低限必要です。公道の場合も、いわゆる42条2項道路と呼ばれる幅4m以下の道路の場合、敷地を後退させるセットバックが必要になる場合があります。

土地購入にあたって、登記簿、図面等から所有者、分割の状況などがわかります。道路は防災、避難の目的でも使用されますので、土地と道路は一体で住空間を構成しますので十分調査の上、こうされることをおすすめします。

 

まとめ

位置指定道路は、建築基準法で認められた私道です。所有権が地主さんの個人名義の場合は、通行、工事などの承諾が必要です。土地の購入時に承諾書を取得するのが望ましいのですが、難しい場合、通行料などの支払いが必要になる場合もあります。セットバックが必要な42条2項道路に該当する場合も重要事項説明事項のため、仲介業者などに接道状況下詳細に確認してから購入するのが必要です。

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著者情報

五十嵐 照勝

五十嵐 照勝代表取締役社長

昭和43年創業時から、アイホームズは『孫の代まで安心して暮らせる家づくり』を信念としています。
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