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2階リビングという地震対策

2020年03月25日

■家の中の重たいもの

皆さんこんにちは、中原です。

地震の時には重たいものほど危険であり、建物にも負担を与えます。

ところで、家の中にあるさまざまな家具の重さというのは、

どれくらいあるものでしょうか。

もちろん家庭によって持っている家具も違いますし、

同じ家具でも物によって重さは違います。

 

家庭にあるもので最も重量があるとすれば、

多くはないと思いますが、ウォーターベッドはおよそ500~700kgあります。

ベッドのサイズに水がつめ込まれているのですから当然のことです。

 

次に考えられるのは、一般家庭でも比較的置かれていることが多い

アップライトのピアノで、200~250kgほどあります。

ウォーターベッドやピアノは、

できれば床の補強を考えておくほど重たい家具です。

 

他に家の中を見渡して、目につく重量物といえば、冷蔵庫でしょうか。

女性や素人では、簡単に動かせるものではないと思います。

 

そこでちょっと重たそうな家具を集めて、

重量のリストをつくって並べてみました。

ひと昔前であれば、テレビも重量家具の仲間だったのですが、

平面薄型テレビの普及でリストからは消えました。

 

こうして並べてみると、ちょっと意外なことに気づきます。

それは、リビングやダイニングにあるものよりも、

個室や寝室に置かれるものの方が重たいということです。

 

その上、個室や寝室に置かれる数も多くなります。

ソファよりもベッドの数の方が多いでしょうし、

冷蔵庫よりもダンスの数の方が多いと思います。

その上、部屋としての面積は小さくなりますので、

面積あたりの重さで考えれば、パブリックスペースよりも

プライベートスペースの方が重たいということです。

 

これを前提にして、ごく普通の家を想像してみてください。

多くの家は、1階にリビングやダイニングルームがあって、

2階に寝室やプライベートルームがあります。

3階建てであれば、1階が車庫、2階リビング、

3階に寝室やプライベートルームがあります。

 

重たい部屋がいくつかあるのですから、

2階の方が重たいということです。

地震が起きて家屋に被害があると、必ずといっていいほど、

重たい瓦屋根が倒壊の原因と書かれます。

重たいものが上階にあるほど、地震に弱いという定説があります。

 

それはこれまでにもお話ししてきた家具も同様で、

重心が高くなれば倒れやすいことにも通じている話です。

 

 

■2階リビングのメリット

こうして各部屋の重さを考えると、

じつは2階をリビングにするというのは、

地震対策の家ということができます。

 

しかも、1階をプライベートルームにすれば、

間取りとして間仕切り壁が増えることになります。

建物に地震力がかかれば、

当然のことながら2階よりも1階の方が、より強度を必要とします。

建物を支えるための壁を1階に増やすことができるので、

この点でも地震に有利な家となってくれます。

 

逆に、リビング等のパブリックルームがは、

家族が集まる場所でもあり、大きな空間が求められます。

地震力の負担が少ない2階であれば、

大きな空間を作るのも楽にできます。

 

その上、2階リビングなら、

屋根の勾配を生かして、天井の高い空間もつくれます。

地震への強度を考えると、

我慢しなければならなかった空間を諦めなくても良いのです。

 

生活の上でも、2階は明るくて昼間に使うには便利で、

夜は就寝として使う寝室が1階にあった方が効率的です。

地震対策としての2階リビングは、メリットが多いようです。

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