資金計画はどう立てればいいの?【ステップ2】
●わが家の総資金を計算する
皆さんこんにちは、五十嵐です。
前回では、資金計画の大枠についてお話をしましたが、
ここではもう少し細かく考えてみましょう。
まず頭金についてです。
一般的に、頭金の割合は、
預金と親族からの援助金などを足して、
資金総額の20%程度が適切だと言われています。
しかし、総予算を6000万円とした場合、20%は1200万円です。
実際、1200万円の自己資金を簡単に準備できる人は
そう多くないでしょう。
また、1200万円を貯めてから家を建てようとしたら、
実現するのは果たして何年後になるでしょうか。
せっかく低金利でローンが組める時期にせっせとお金を貯めて、
いざ計画実行という時に低金利のメリットを使えなかった・・・
となれば、それこそ大きな損失です。
ここでちょっとシミュレーションをしてみましょう。
金利1.2%、35年ローンで6000万円を借り入れる場合、
総支払額は7351万円になります。
では、頭金1200万円を準備し、4800万円を借り入れる計画で、
35年ローン、金利が1.3%上昇して2.5%になったと仮定すると
どうなるでしょうか?
この場合の支払総額は7208万円。
つまり、頭金をせっせと貯めても、
金利が1.3%以上上昇してしまうと、
意味がなくなってしまうのです。
極端なことを言えば、頭金はなくても大丈夫です。
もちろん、あるにこしたことはありませんが、
現実的に考えれば、金利の安さを利用できる時期は
この恩恵を享受すべきでしょう。
家を建てるときに大切なのは、頭金の多さよりも安定した収入です。
●出るはずの資金をあてにしない
また、資金計画を立てるときに、
退職金や年金を返済計画に組み込む人がいますが、
慎重に考えた方がいいでしょう。
今の時代、これらが必ず出るとは限りません。
「あてにしていた資金が出なかった」
ということになれば、最悪の場合、
返済計画が行き詰ってしまいます。
しかも日本人の寿命は飛躍的に延びています。
退職してから優に20~30年は、
収入構造が大きく変わる生活が待っているのです。
この「セカンドライフ」を充実したものにするためにも、
住宅にかけるお金と老後のお金は別に考える事をおすすめします。
なお、建てた家に老後まで住むつもりなら、
耐震・耐久・省エネ設計にするなど技術水準を上げて、
「フラット35S」などを利用することを検討するのもいいでしょう。
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