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「断熱」「気密」「換気」で家の耐久性を高める

2019年05月28日

皆さんこんにちは。五十嵐です。

 

これまでの日本の家についていえば、

急速に資産価値が下がってしまうのには

木造建築による耐久性の問題が深く関係しています。

とはいえ、これからも一般住宅の多くは木造です。

では木造建築の特性上、耐久性については

諦めなければならないのでしょうか?

 

たしかに「欧米の家は石やコンクリートでできているから長持ちするのが当然」

と考える人がいるかもしれません。

ところが、欧米でも一般的な家庭は木造建築なのです。

つまり、木造建築だから耐久性が低い、という考え方は誤解に過ぎません。

 

1300年前の法隆寺は、湿気と地震に強い木造建築

 

建築用素材としての木は、耐久性の点で非常に優れた材料です。

現存する世界最古の木造建築物は、西暦600年代初頭に

聖徳太子によって建立されたことでも有名な世界遺産・奈良斑鳩の法隆寺。

再建されたことなどを考慮しても、1300年以上にもわたって、

飛鳥の地のランドスケープとしてその役割を

果たしてきたことになります。

これを耐久性が劣るという人は誰ひとりいないでしょう。

 

また、意外なことに木は耐火性の点でも優れています。

木の表面こそ焼けて炭化しますが、影響が中心部まで及んで

崩壊に結びつくといった例はほとんどありません。(集成材はダメですが)

 

建国から200有余年のアメリカには100年、200年にわたり、

何世代もが住み続けるという木造住宅がたくさんあります。

定期的なメンテナンスを経て価値を維持し続け、

現在でも資産としての高い価値を保持しているのです。

 

では、建築材として耐久性など優れた性質を持つ木造の家が、

現代の日本では、なぜ30年程度したもたないのでしょうか?

 

さまざまなことが考えられますが、いちばんの理由は

中途半端な断熱施工をしてきたから。

湿度の高い日本の気候条件を考慮しないままに、

断熱施工を施してしまったために、

住宅の構造部(骨組など)に内部結露をひき起こし、断熱材はおろか、

躯体そのものにまで大きな影響を及ぼしてしまっていたのです。

 

また、水分を含んだ機材には腐朽菌が繁殖し、

シロアリなどを呼び込みます。

その結果、本来は耐久性十分だったはずの木造建築が、

30年そこそこで寿命を迎えるという状況が生まれてしまったわけです。

 

千年単位の寿命を誇る法隆寺はもちろん、

太い柱や梁で建物を支える日本古来の住宅は、

断熱性や気密性を考慮して建てられているわけではありません。

 

高温多湿の日本でも、建物の構造が吹きさらしで

内外の温度差がない状態なら、結露などの湿気の問題は起こらないのです。

その条件の下、当時の建物は木材が本来の耐久性を発揮し、

数世代にわたって利用されていたのです。

 

家の大敵・湿気をうまくコントロールする

 

住居は、その国の風土や文化に合ったものであることが大切です。

たとえばアメリカで主流の2×4住宅をそのまま湿度が高く

敷地の狭い日本で建てても、数百年もの間

住み続けられるかどうかはわかりません。

 

しかし今日、建築材としての木材を考えたとき

最大の弱点といえる”湿気”をコントロールすることが可能になりました。

外気をほとんど完璧にシャットアウトした気密性の高い家で、

法的に義務づけられた換気を行えば、

木造住宅の大敵である結露の発生は抑えられます。

 

また、これにより気密性のもうひとつの問題とされた「シックハウス症候群」、

その原因といわれる揮発化学物質からの影響も避けることができます。

家の資産価値の大きな要件である

「断熱」「気密」「換気」のバランスは、

木造建築の寿命を格段に延ばすのです。

 

 

POINT

■木造だから耐久性に問題があるという考え方は誤り

■「断熱」「気密」「換気」をコントロールし快適で耐久性の高い住宅を建てる

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